謎解きはバレーのあとで!?
□ Story6 愛とは永遠の謎でございます
1ページ/1ページ
「 お嬢様、株主総会決議の種類について、ご説明を!」
「ひっ!! 株主総会決議の種類としては、会社法309条1項に規定される……」
「ククッ。 お嬢様、そのご様子だと、福澤にだいぶしごかれたようでございますね?」
「!!! よね…や…ま??」
「はい、お嬢様。米山でございます。」
「米山っ〜!!!」
ガバッ
「おっ…お嬢様…///」
ニヤリ
「お嬢様。いきなり抱き着いていらっしゃるとは、本日は大胆でございますね。なんでしたら、このままベッドまで??」
「………。」
ハッ!!
バッ
「なっ…何を!! こんなのただのハグよ。ハグ。 ご・あ・い・さ・つっ!! そ…、それより、米山こそどうしたの?私が恋しくて戻ってきたのかしら?」
「お嬢様… ご冗談を。 『よねやまぁっ〜!!お願いだから戻ってきて〜っ!』と泣いてお電話していらっしゃったのは、確か…。」
「………。」
「お嬢さまではございませんでしたか?」
「!!! そっ…、そうだったかしら…?」
『相変わらずコイツは… くぅ〜、しかしここは、我慢よっ!我慢っ!!』
「あれほど、イケメンイケメンとおっしゃっていたではありませんか。お望みどおり、この上ないサービスタイムをご用意してさしあげましたのに。」
「……。」
「お嬢様のワガママも、タイガイにしていただきませんと… (ため息)」
『ホントに、この執事……』
「イケメンも良し悪しなのよねぇ〜。いろいろ気をつかわないといけないし、なんだか疲れるし…。 それに!!!そうよっ!!!あそこまでドSだなんて聞いてないんだからっ!!」
「イケメン好きのクセに、イケメンが苦手とは…。致命的でございますねぇ…。」ニヤニヤ
「うっ…。 米山がウチをクビになって、路頭に迷うのを不憫に思っただけよっ!あのアタマがよくてイケメン執事の福澤なら引く手数多でしょうけど、アナタには私ぐらいしか…ねぇ…??」
「お言葉ではございますが、お嬢様。 私、引く手数多のオファーを“泣く泣く”お断りして戻ってきたのでございます。あちこちのお嬢様がお待ちでございますゆえ、すぐにでも福澤と交代いたしますが??」
『ひ〜〜っ!!!!!それだけは勘弁してぇ〜〜。』
クスッ。
「…ったく、お嬢様も素直じゃございませんねぇ。 米山がいなくて寂しかったのでございましょう?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ?? ちっ…、ちがっ…… 」
チュッ!
『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
「よ……、よ、よ、よねやまっ/////!! あっ、アナタまた…主の私に、キッ…キス/////を…」
「復帰のごあいさつです。キスなど、欧米では、ただの ご・あ・い・さ・つっ!!でございますゆえ。」
「き〜〜〜〜〜っ!! 米山っ〜〜!!!! ク…クッ…、ク……」
『クビにしてやりた〜〜〜〜〜いっ!!!!!!!!!!!!』
「ところで、お嬢様。」
「なぁに、米山。」
「30日放送のすぽると、私、米山の特集は、もちろんご覧になっていただきましたよね?」
「はぁぁ? このまる2日、福澤に軟禁…、いや、ガッツリ監禁されてたっつ〜の。」
「おかげさまで、テレビっ子が泣いて欲しがる8チャンネル×36時間自動録画の“セルレグザ”のデータだって、とっくになくなったわよっ!!」
「お嬢様、またイケメンCMにつられて、東芝製品を??」
「そこツッコむなっ!」
「ご安心ください、お嬢様。私、キチンと編集の上、ディスクに焼いてまいりました。」
『どんだけ自分好きだよっ、この執事っ!!』
「間違いなく、米山の魅力再発見〜!!でございます。ぜひ、お嬢様のイケメンコレクションに……」
「加えるかっ!!」
「そんなことより大変なのよ! 米山!!!」
『そんなこと…!?』
「私…、“ウエタ語”までマスターしてしまったのかもしれないわ!」
「はぁ? う…ウエタ語…で、ございますか?」
「わかるようになったのよ!昨日のロシア戦、監督がタイムアウトの時に話してる言葉がっ!」
「お嬢様……。そもそもあれは“ウエタ語”などではなく、“日本語”でございますゆえ。ただ少々滑舌がよろしくなられただけかと…」
「それでも、米山がその直後に、はるかに滑舌よくて的確な指示かぶせちゃったせいで、また残念なカンジになってたけどね〜。」
「お嬢様…。 それは…(汗)」
「はっ! まさか米山、監督の座を狙ってる!?」
「はぁぁ? お嬢様、話の展開が完全に迷宮入りなのですが…」
「…となると、夢のイケメン全日本が編成できる日も近いわねっ!(監督は、ちょっと役不足だけれど。)」
「お嬢様〜!」
「でも…どうして急に滑舌よくなったの?? !!! ま…さ…か… アナタ、チクったんじゃ……!?」(-_-)〜→疑
「 お嬢様。私、そこまで暇ではございません。」キッパリ!
「はっ…、もしや、スパイの仕業かしら!?」
「お嬢様。ボケはボケでけっこうですが、もう少しクオリティというものを……」
「だって、米山。全日本には、相手チームをスパイする人がいるのでしょう??」
「お嬢様。 まさか…、まさかとは思いますが、“アナリスト”のことをおっしゃってるのでございますか?」
「そう!!それそれっ〜!!」
「……。お嬢様のバレー知識の薄っぺらさには、米山、いよいよ殺意すら覚えるのでございますが。」
「なによ〜っ!! 米山には伝わったじゃないっ!」
「米山に“しか”伝わりませんがっ! …ってか、伝わった私もいかがなものかと存じますがっ!」
「ド素人のお嬢様のためにザックリと申し上げますと、アナリストの仕事は、情報やデータを収集・分析をし、有効な戦術を導き出すことでございます。」
「それって、もっとザックリ言うと、スパ……」
「違いますっ!!!」
「!!! データ収集…!?」
『…ってことは、やっぱり!! 私とお友達がいろいろお話している“超機密情報”も、ガッツリ収集されているのだわ!!』
「お嬢様?」
『ハッ!まさか!! この間、お友達と盛り上がりに盛り上がった“清水×福澤のテッパンコンビに割って入るあべちゃん情報”まで収集済!?』
「お嬢様!?」
『まさか……。その上で、昨日のロシア戦のスタメンに、あべちゃん、福澤(←すでに呼び捨て)、清水くんの三角関係をブッキング!? ウエタ、やるわね。まさにコートの中が“蜜の味”状態じゃない!!』
「お嬢様!!!」
『それをふまえて←、もう一回ビデオ観よ〜っ! あべちゃんのアツすぎる抱擁ってば、罪!』
「お嬢様!!!! それ以上は、このサイトならびに宝生家の品位にかかわりますゆえ。」
「ハイハイ。」
「だけど、米山は気にならない? チームにあふれる愛のゆ・く・え。」
「さぁ、私にもわかりかねます。愛とは謎多きものでございますゆえ。」
「でもまぁ、愛こそチームワーク!?…だものね。」
「しかしながら…。 残り2試合、いよいよその愛が試される時が、やってきたやもしれませんね。」
「よねや…ま?」
2011.12.3