謎解きはバレーのあとで!?

□ SP:Story1 “終わりは始まり”でございます
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※ひろ〜い心で読んでいただければ幸いです。





「 お嬢様…。 お嬢様、起きてくださいませ。」



「うぅん…。米山…、…今何時?」



「すでに、11時過ぎでございます。そろそろ起きていただきませんと。」



「ふわぁ…。 昨日、ファイナルの勢いで、飲みすぎたぁ〜。」



「ブランチの準備ができております。」



「ありがとう、米山。」



『……。…?』



「えっ!? よねやまっ!?」



「どうなさいました? お嬢様。」



「どうなさいました?じゃないわよっ! な…、なんで米山がいるのよ?」



「なんでと言われましても。私、宝生家にお仕えする執事ですので。」



「じゃなくて! 昨日はファイナルだったから、今日は休んでいいって言ってたでしょう?」



「いや…、ですが。たいして疲れておりませんし。」



「はぁぁ? いやいや、40点超えのデュースの上に、フルセットの戦いだったわよね!? …ったく、どんな体力してんのよ!」






「?? …ってか、米山、リアルに顔色悪いじゃない!! まさか…、体調悪いの??」



「まさか。…でございます。 やはり私がおりませんと、お嬢様は何ひとつマトモにお出来になりませんので。」



「はぁ!?







『…ってか、替わりの執事リクエストしちゃったわよ〜!』










ガチャッ



「 お嬢さん、お待たせ〜!」






「「お嬢さん!?」」



「タ…タメ口!?」





「って、え〜〜〜〜っ! し…しっ…、篠田さんっ!?」パクパク







「おっと、…じゃなかった。  お嬢様、お待たせいたしました。本日、執事を仰せつかりました篠田でございます。」



「ご苦労さま。」



『さすがイケメンッ!!執事服超!似合う〜。 私の目に狂いなしっ!!』(ガッツポーズ)








「えぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ! な…、なんで篠田さんが!?」



ギロッ



『ひぇ…。』



「それは、こっちが聞きてぇよっ!!







「お嬢様…。完全にめんどくさい展開になりそうな予感がします。」



「そっ…、そうね。」







「なんでオマエ休ませるための替わりがオレなんだよっ! オレだって、昨日のファイナル、フル出場だっただろ〜がよっ!」



「ってか、オレ、すでに32だから、32!!」



「コキ使うなら、鈴木でよくね!? アイツ、昨日まともに働いてね〜だろっ!」








「…というわけで。 お嬢様の目は節穴でございますか?」



「「ヘタクソかっ!!」」








コホンッ



「篠田。秋山監督からの伝言よ。」



「え…?」



「“セミファイナルの反省のために、篠田を遣わせるから、コキ使ってやってください” 以上。」



「……。」







ボソボソ「お嬢様、セミファイナルの反省とは、例のアレでございますか?」



「そう。ニコ動ウオッチャーをたぎらせた“篠田アタック”よ。」



「審判の完全な誤審だったとは言え、完全に“どーん”でしたよね。」



「そうそう。あの方、自分で言ってたけど、確かすでに32よね?」



「そうです。じゅ〜ぶんオトナな、32でございます。自分で言ってらっしゃいましたが。」



「アレ…、かなりの威力と見たけど…。」



「まちがいございません。審判のダメージもかなりのものだったかと…」








「おいっ! オマエらっ!!」







「…というわけだから、篠田、よろしくね。」



チッ 「かしこまりました。」



「いやいや、お嬢様。私は大丈夫ですので。」



『たった1日とはいえ、この人に任せたら、このお屋敷がどうなることか…。恐ろしすぎる〜っ!』



「米山、いいからオマエは休んでろっ!」



「篠田さん、いや…、そういうわけには…」



クラッ…



!?



「「米山!?」」



「!! 大変っ!篠田…、すごい熱よっ!!」



ガバッ



「すぐベッドに運びます!」



「お願い。お医者さま、お呼びするわ。」





「………。」




『ハッ…、いけない。“米山を抱きかかえる篠田”の画に思わず、イケナイ妄想が…←』
















「篠田、米山は…どう?」



「やはり、昨日までの疲れが出たようでございます。安静にしていれば、すぐ熱もひくだろうとですので、このまま寝かせておきましょう。」



「そう…。」








「お嬢様。お茶を入れなおしいたましょう。」



「ありがとう。」






「…っ!!」



『うゎ、にっがっ!!!米山〜(T_T)』



「お嬢様??」



「いぇ、なんでも。 それで…?昨日の試合どうだったの?」



「それより、お嬢様。お嬢様は、もちろん我が東レチームを応援してくださったんですよね?」



「え? えぇ〜っと…」



「まったく…。どうせ、『福澤!福澤〜!』と、はしゃいでらっしゃったのでございましょう。あんな若造のドコがいいんだか!」



「ふんっ!その若造にやられっぱなしだったのは誰よ〜。」



「あぁん!? お嬢様は、いったいドコに目をつけていらっしゃるのでございますか?」







「はぁ、なんですって!? ちゃんと観てたわよっ!トミーのブロック祭りも、米山の手堅いレセプションも、最多得点のデキの頑張りも、米山の技ありスパイクも!」



「米山2回も出してんじゃね〜よっ!」



「あっ!あと、越谷さんのスーパーレシーブ! あれ、スラムダンクの『どけっミッチー!!』バリの名シーンだったわよねぇ…。」



「それ、清廉お嬢様ぐらいしかわかんね〜からっ! いや、ムリかも、さすがに。」









「失礼ながら、お嬢様。 私、篠田の数多の名シーンをスルーとは、いつまで酔っぱらっていらっしゃるおつもりですか?そのオツム、泥酔状態でございます。」ニヤリ



『でたっ!! 本家まるパクリッ!!』



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 篠田の名シーン? あっ!クイック、アウトにしちゃったアレよねぇ?」ニヤリ



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? だから、あれはインだっただろっ!!」



「きゃぁ〜! “篠田アタック”!?」



「するかっ〜!!」



「まぁでも、あれ、確かにインだったわ。私、映像をコマ送りで見たもの。」



「だろ〜っ!? …くっそ、あのヘボ審判っ!」



「でも、福澤のサーブもインだったからおあいこよ〜っ!! あぁ、福澤のポイントもったいない…。」



「いやいや、福澤よりオレのクイックだろ〜がっ!!」



「あのシーン、“篠田アタック”の再来かっ!!って、みんな色めきたったのに〜。 ちょっとは期待に応えなさいよっ!」



「アホかっ!」



「まっ、それでも、ちょっとは反省したのね〜。」



「うるせぇよっ!!」














ガタッ



「お嬢様…?」



「私、ちょっと米山の様子、見てくるわ。」



「かしこまりました。」









カチャッ…



「米…山…?」






スースー



『よく寝てる〜。よっぽど疲れたのね…。ホント、すぐムリするんだから。』



『寝顔…、意外とカワイイのよね。 …まったく、黙ってれば、まぁまぁいいオトコなのに。』






「……。」





「おつかれさま…」 チュッ







グイッ



「えっ…、きゃっ!」



ドサッ!



ギュッ…








「よ…ね…やま? …起きて…たの?///////」



「お嬢様、そんなカワイイことをされては、ガマンできなくなるのですが…」



「……。///////」







「お嬢様…」



「米…山…」






!?



「お嬢様、少々お待ちを。」



ビシュッ(←ドアに向かって、枕を投げる米山。)



「えっ? 米山!?」







バンッ



「ぎゃっ!!」



「えっ…!? 篠田…」



「覗き見とは、サイテーでございます。」



「てへぺろっ」






『『死ねっ!!』』







「篠田。アナタ、今すぐクビ。」
 
 
 
 
 
ファイナルの激闘に
2012.3.28


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