謎解きはバレーのあとで!?

□ SP:Story2 行くぞ、ロンドン!でございます
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「米山!米山っ〜!」



「 お嬢様、お呼びでしょうか。」



「いよいよ、世界最終予選が始まったわね。 ところで、昨日のベネズエラ戦…」



「その前に、お嬢様。」



「な…、なによ、米山。」



「謎バレの再開は、想定内ではございますが…」



「…



「どうしてスペシャル扱いなので、ございましょう? 本来なら、『謎バレ リターンズ』のハズでは?」



「……。 勝手にタイトル考えないでよっ!」



「それからもうひとつ。」



「はいはい、なにかしら。」



「世界最終予選は、おとといの1日から始まっているのでございますが。」



「知ってるわよっ!!」






「いい?米山。 前にも言ったけど、最終予選は、他の大会とはシリアス度が断然違うの。それなのに初戦のあの負け方っ!! ネタにできないわよっ!!!」



「……。 それは失礼いたしました。」



「同じ理由で、今回何本ネタにできるかわかんないから、スペシャル扱いなのよ。最悪この1本だけかも…」



「お嬢様っ!! お嬢様がそんな弱気なことでは困ります。」








「だって! 清水くんが、ケガでなんとか間に合ったって状況だっていうし…。ワールドリーグ、浜松で3連敗するし…。もう不安しか((((;゚Д゚)))」



「そのネガティブオーラ、なんとかしていただけませんか…






「だけど!山本さんのプレーはすごかったわねっ! 清水くんの代役みたいに言われてたけど、とんでもないっ!!」



「そうですね。」



「ムリしないでブロックアウトとったり、コースを打ち分けたり。試合後は、みんなに声かけてまわってたし。ホントに彼、オトナになったわよね〜。」



「はぁっ〜!? なんですかその上から目線っ!! そもそも“にわか”ファンのお嬢様は、昔の山本さんもご存知ないでしょうが!!」



「はいはい、失礼しました。 バレーファンのお友達が、みんなそう言って感動してたから、つい…通ぶっちゃったのよね〜。」



「まったく…。」



「でも、最近は全日本でも、チームでもなかなか出場する機会がなかったんじゃないの? それでも、あれだけ活躍できるなんてすごく驚いたんだけど。」



「それこそが、山本さんが、これまでバレーにどう向き合ってきたかを証明してるんじゃないでしょうか?」



「どう…向き合ってきた……か?」



「試合に出られなくても、くさらず、“自分が何をすべきか”を考えて、努力を惜しまなかった…ということです。」



「なるほ…ど。」






「山本さんにしろ、宇佐美さんにしろ、越谷さんにしろ…。ベテランと呼ばれる方たちには、年齢を重ねたからこそできるプレーがあります。」



「しかし、だからと言って、ただただ年齢を重ねただけで、あんなプレーができるようになるわけではないのです。」





「それだけの努力をしてきた…と。」



「そういうことです。」



「…となると、いちばんすごいのは米山かしら?」



「はっ??」



「プレーが、すでにベテラン。」クスクス



「お嬢様っっ!!










「それで、どうでございましたか?ベネズエラ戦は。」



「とにかく勝ってよかった…(切実)」



「それだけですか??」



ボソッ「米山の活躍が大きかったと思うわよ…」



「…なんですか?」ニヤリ



「米山の活躍のおかげだって言ってんの!!!」



「あの…もう1回…」



「イヤよ!! 一番活躍したのは、福澤だし〜♪」ニヤリ



「はぁ!? それは“データ上”でございましょう!? まったく。お嬢様の目は、節穴でございますか?」



『うゎ。出たっ!!』



「まぁ、やはり素人のお嬢様には、レセプションが崩れた後のフォローや、つなぎのプレー等々、データではわからない私の活躍ぶりはご理解いただけないでしょうが。」



 悪かったわね!!」







「それにしても、米山は、福澤のお株を奪うバックアタック連発だったけど、あれは福澤にケンカ売ってるのかしら??」ニヤリ



「はぁ??」



「あっ…。まさか、私が福澤びいきなの、妬いてるとか…??」



「……。空いた口がふさがりません。」



「そういえば…。3セット目に、タッチ2・3回空振りしてたの、バッチリ映ってたけど、あれは、ビミョーな距離感のあらわれ??」



「だ〜、か〜、ら〜っ!!」



「私のせいでケンカしないでね。」



「しませんっ!!!







「最後の福澤とSexy Zoneとのハイタッチ、なんだか可愛かったわね。」



「それはよかったですね…。」



「だけど!!あれはテレビ局のリクエストなの?? 女子選手とのハイタッチは、完全にいらなくない!?」



「お嬢様。 宝生家のお嬢様ともあろう方が、そんな小さなことで目くじら立てられては…」



「米山っ!! あなたはリクエストされても、女子選手とのハイタッチは禁止っ!!!」



「えぇ〜。」






「そうだ!Sexy Zoneといえば、あのテーマ曲のタイトルなんだけど…」



「『キミのため ボクがいる』ですか?」



「同じ事務所の後輩とはいえ、なんだか、アラシックのココロをざわつかせるのよねぇ〜。」



「まったくもう…。お嬢様、つまらないトコにいちいち噛みつくのはおやめください。」






「それで? 次の試合は?」



「来週火曜日から、韓国・中国・オーストラリアのアジア勢との3連戦です。」



「オーストラリアが、アジアってのは、そもそもアリなの!?」



「…またそこ噛みつきますか。」








「…ってことは、今日と明日は試合がないのね。 そっか!!! みんな“サッカーの”世界最終予選で、バレーどころじゃないものね〜。」



「お嬢様っ!!!」



「じゃあ、私、ウッチーの応援に行ってくるから、あとよろしく。」



「はぁぁぁぁぁぁ!?」





2012.6.3


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