謎解きはバレーのあとで!?

□ SP:Story4 仕事人の出番をお見逃しなきよう
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「 お嬢様! お嬢様っ!!」



「……。」



「お嬢様〜〜〜〜っ!!!!」



「もう!! なんなのよっ!米山っ!」



「いえ、その…、そろそろ謎バレのほう…」



「邪魔しないでっ!! 今、サッカーいいとこなの!! きゃ〜っ、ウッチー!!」



「……。」



「お嬢様…、バレーより断然テンション高い気が…」



「え?? 米山、何か言った?」



「…いえ。」








「ふぅ〜。今日も快勝だったわ…。バレーと違って、安心して見ていられるわよね〜。(しみじみ)」



「… そろそろ始めてよろしいですか?」






「昨日のオーストラリア戦、いかがでございましたか??」



「私、やっぱりオーストラリアがアジアってのが、納得できないんだけど。」



「まだおっしゃいますか…」



「サッカーだってそうなのよ!オセアニアサッカー連盟から、アジアサッカー連盟に乗換えるなんてありえないわよっ!!」



「はぁ…。 サッカーには、やけに詳しくてらっしゃいますね。」



「米山っ! 宝生家のチカラで、オーストラリアの立ち位置、はっきりさせろって言ってやりなさいよ!!」



「お嬢様…、それは、国際紛争に発展いたしかねませんので。」



「ふんっ!」






「だけど、宇佐美さんが、なんとか出場できてよかったわ。」 



「そうですね、大変心配いたしました。」



「まったく!! 練習であんな至近距離でボール当てるとかどうなの!? 米山っ!中国にも抗議よっ!!」



「いやいや、それこそ完全に国際紛争モノです。 まったく…。その何にでも噛みつくクセ、なんとかなりませんか?? 宝生家の“影響力”をお考えください。」



「いいじゃんっ!! 誰も聞いてないわよ。」






「それでも宇佐美さん…、万全ではないのに、さすがのトス回しだったわね。」



「そうですね。オーストラリアのブロックも、全然ついていけておりませんでしたから。」



「あれが、高さのあるチームとの戦い方ってことよね。  …!? だったら…、中国戦も…」



「!!!! お嬢様…、そ…、それ以上は…」クラッ



『またも、無邪気すぎる天然ツッコミ。 破壊力ありすぎ…orz』










「そうだ、米山。 私、ここ最近、猛烈に気になる方がいらっしゃるのだけれど。」



「へぇ…。どなたでございますか?」



「越谷さん〜!! あの方、確か…、米山と同じチームの方よね?」



「そうでございます。 しかし…、お嬢様には珍しく、いたく渋い方に目をつけられましたね。」



「だって、あの方、ふらっとコートに入って、サクッとAパス返して帰っていくんだもの!! ギャップ萌え女子続出らしいわよっ!!」



「いやいや、お嬢さま。“ふらっと”って…」



「何で?? だっていつも“ちょっとそこまで”ってテンションじゃないっ!!」



「………。 …確かに、見えなくもないですが。」



「なのに、あの仕事ぶり!!!! タダモノじゃない気がするのよねぇ〜。」



「まぁ、ある意味、タダモノじゃございませんね…。」







「ところで、米山。 最終予選の連戦で大変でしょう?そろそろ休暇をとってもよくってよ。」



「お嬢様、私、昨日は出場機会がありませんでしたし…、今日も試合はございませんし。 特に休暇は、必要ございませんが…」



「あっ…そう。じゃあ、最終予選が終わったら、ゆっくり休暇をとっていいわよ。」



「……。 !!! お嬢様…。」



「な…、なぁに。」



「まさか…、まさかとは思いますが、越谷さんを、執事にしてみようなどとお考えでは…」



「えっ…?? まっさか〜。」



「完全に目が泳いでおりますがっ!!」









「お嬢さま。越谷執事はけっこうですが…、大丈夫でございますか?」



「え? 何が?」



「あの方、バレーではおっしゃるとおりのすごい選手でいらっしゃいますが、バレー以外では全く使えない方ですので。」



「え…。そうなの? …ってか、先輩にひどい言いようね。」



「バレーをしてる時以外は、超省エネ。ほぼ動きたがりませんし。 動いたら動いたで、“ド天然”ですから、予測がつきませんし…」



「……。」



「それでも、朝にはめっぽう強いですから、朝は暗いうちから起こされることは、間違いないでしょうね…」



「うそでしょ…。」






「それに……。 越谷さんは最近、すごくいいお屋敷にお世話になっているとおっしゃってましたが。」



「えっ!? そうなの??」



『いったい誰なの!? 越谷に目をつけるなんて、こっちもタダモノじゃないわね!』



「何でも、“三食・昼寝・ゲームつき”のお屋敷とか…」



「…ゲームつき!?」



「どうなさいました? お嬢さま。」



「ゲームつきなんて、あのお嬢様に決まってるじゃない!! 世間をドン引きさせたニノのゲーム三昧を、‘私とおんなじ〜’なんて言ってのけたツワモノよっ!」



「はっ!! まさかあの…」



「…となると、たぶん今頃、早起きどころか、朝までふたりでゲーム三昧ね……」



「間違いございません。」






「よ…、米山…。 とりあえず、越谷執事の件は、なかったことに。」



ニヤリ「かしこまりました。」














「米山、ところで明日の試合は?」



「19:00より、プエルトリコ戦でございます。」



「なんだか混戦でわけわかんなくなってきたけど、とにかく勝てばいいのよね?勝てば!!」



「さすがお嬢様。ザックリすぎですね。」



「…







「あと2戦、必ずや勝利して、オリンピックの出場権を獲得してきますので、ロンドン行きの準備をしてお待ちください。」



チュッ



「!!//////// ロンドン行きは…… まだ早いってば…」





Special thanks to ゲーム三昧のお嬢様
2012.6.8


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