SMELL
- Blood = Dupre -




夜中にふと目が覚めてしまった。

彼女は私の右腕を枕にして、すやすやと可愛らしい寝顔を湛えている。


…そっと、頭に口付けた。

私と同じシャンプーの香り。

一緒に風呂に入ったのだ、当然か。



…それにしても、私は目が冴えてしまったのに彼女は寝ているなんてつまらない。

しかし起こしてしまったら、彼女は機嫌を損ねそうだ。


どうしたものかと考えて、起きるか起きないか、ギリギリのところでキスを続けた。


頭、額、耳、頬、唇…。

順番に、なぞるように。


『…ん…』

くすぐったそうに眉を寄せるのを見れば、ついつい加虐心がうずいてしまう。


数時間前に鎖骨に咲かせた赤い花を指でなぞった。

シャンプーとは違う匂い。

肌から滲む甘い香り。

紅茶のように芳醇だが、それ以上に体の芯が熱くなる。


女性特有の甘ったるい匂い。


彼女を抱く腕に力を込めて、少し上がった体温を逃がすように熱いため息を吐いた。


…最悪だ。

完全に眠れなくなってしまった。






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