捧
□素直になれない!
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誰よりも長くそばにいた…。そして、誰よりも近くにいたハズなのに…
いや、だからこそ、
―素直になれない!
私はその日、春の仄々とした陽気に包まれる十番隊舎、執務室にいた。
「あんた…恋次のこと、好きなんでしょ?」呆れ果てたような声で、問い掛けられ、
「はい…」私が、身を小さくして答えれば。
「なら、ちゃっちゃと想いを告げちゃいなさいよォ」とさらりと言われるてしまう。
「いや…でも…」と、私は更に体を小さくして答える。
「はぁ〜〜〜…」
このようなやり取りを何回繰り返しただろう…。いくら話しても最後には結局、このやり取りになってしまう。
「朽木? あんたさ、恋次と付き合うきあんの?」蕎麦饅頭を頬張りながら呆れ顔で尋ねてくる松本殿に、私は頷いた。
「よし、じゃあ今日、告りなさい!」
いきなりの言葉に私は、声も出ず、有りったけの疑問符と感嘆符を頭に浮かべた。
、