Story W

□くらしかるままん
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「…で」
何でキサマらはここにいるんだ。

《くらしかるままん》

気持ちの良い朝。
ごくごく珍しく与えられた休みに久しぶりにゆっくりできると思えば、目の前にはバカが三人。
「よっ、久しぶり」
「元気そーじゃん」
「ヒッ、会いたかった?」
戯れ言を吐く奴らに向かって、誰がだ、と机を蹴飛ばすが避けられた。しかも何故か隣のスペースに座ろうとするので、殴り付ける。
何なんだ、暇なのか、こいつらは。
「何しに来たんだ、お前ら」
「ん?遊びに」
「働け」
「いやいや、働けって」
「じゃあ取り敢えず帰れ」
「遊べっ」
「 ふざけるのもたいがいにしろ 」
どうやって入って来たのか知らないが、喜色満面擦り寄ってくるガキ共とヨコシマな空気を漂わせるホクロに、どんどん貴重な休みが削られていく。
伸ばされる手を拳であしらいながら溜め息をつけば、バタンと部屋のドアが開いた。
「クロー――――――――――リー―――――――――――!!」
また煩いのが来た。
「何か騒がしっ…ティキ!?」
「ゲッ、少年っ」
「イノセンス発動!」
「ぎゃー―ダンナーッ」
「殺られてしまえ」
「酷ー―ッ!?」
「ダッセェ」
「ヒヒッ、ダッセー!」
「あ゛っ双子の…!」
「ゲッ見付かった!」
「ギャー助けてオッサンー!」
「……」
「「無視すんなー!!」」
喧しい。が私には絡んでこなくなったので放置しておく。
そういえば長らくやっていないなと久しぶりにチェス盤を出して来れば、目の前に頬杖をついた眼帯がいた。
「………」
「どっちからいく?」
「…………」
襟首を掴んで鼻にポーンを詰めてやる。
痛い痛いと言いつつ笑っている顔を見ていると、何だかクラリとした。
ふと後ろを振り返れば、何処をどうしたのか壁に空いた穴から青空が覗く。
バカ共は未だじゃれ合っているようで、左の方からガシャンという音が聞こえる。
どうしてこんな良い日にこいつらの世話をせねばならんのだ。
耳と鼻にもそれぞれ駒を詰めて眼帯を騒いでいる場所へ放り投げた。
「お前ら全員帰れ」
打ち返された赤毛を避けながら命令するが、各々不満の声を上げて寄って来る。
誰がお前らと過ごしたいものか、全員が全員面倒な奴らめ。
私の休みをどうしてくれる。
「よし、わかった」
手で制してお座りをさせ、思い付いた事に一人ほくそ笑んだ。
「こうしよう。
お前らの中で勝ち残った一人にだけ、一時間付き合ってやる。」
ピタッと動きが止まったかと思うと、一瞬で乱闘へと変化する。
長引きそうな争乱に、これで当分は絡んで来まい、さてでは風呂にでも。
とドアを開ければ、某シスコンが笑顔で立っていた。
「…逃げて来ちゃった★」

ピクッ

取り敢えず、風呂の前に一汗流すことになりそうだ。

fin


後書き

葉月様3500Hitキリリク、クロ争奪戦でした!

アワワワ何だか撃沈感が否めない痛々しさですなこれ…。
くふふ……奪い合いにおろつく通様も良いけどあしらっちまう発様も好きです。
楽しく書かせて頂きました!ありがとうございました♪

それにしても…ホントに題名に脈絡がないな。


write2007/6/29
up2007/7/4

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