Story W

□゚+'。・こがねイロ.
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暖かい陽が差し込む庭、うららかな午後、私はカフェテーブルにかけてティータイムを楽しんでいた。
美味しい紅茶に、少し甘すぎる位のケーキと。
目の前にいるのは、目の前に、いるのは―――

「ダンナ」

先程まで向かいでカップを持っていた手が私の髪を撫でた。
心地良い声に、何であるかと聞き返せば、声は耳に更に近付き、囁きかける。
「朝だよ」
え?
「遅刻しちゃうぜ?」
がばりと被っていた布団を跳ね退け起き上がり、振り返る。
するとそこでは、ティキがオハヨ、と手を挙げていた。
……素っ裸のままで。
「ん…まだちょっと寒ィね」
「ギャーッ!?」
下を見れば私も裸。慌てて布団を被り直そうとすると、腕を引いて抱きしめられた。布団に潜り込み、頭や顔にキスを落とされる。しなやかな指は、ゆっくりと体を撫でた。
くすぶり始めた感覚に、体が火を付けそうになる。
「放すであるっ、会社…!」
「残念〜、今日は日曜なんだな」
「先刻、っ…!自分で言ったではないか!」
「だって一人で起きてるの寂しかったんだもん」
「可愛子…ッア、ぶるなぁぁ!」
鎖骨を掠めるキスに、ぞくぞくと火の付いた快感が背中をかける。
調子に乗って胸を下る口唇、止めろと頭を叩けば漸く腰から手が退いた。
息苦しい布団から頭を出せば、彼も続いて顔を出す。
「何するんであるかっ!?」
「キス」
「な……!!」
悪びれもせず笑い、乱れた髪を掻き上げる仕種。それは完成されたもので、私の文句すら押し殺す。
私は気恥ずかしさで彼と目を合わせられず、そんな様子を見ながら、ティキはベッドサイドから煙草を取り火を付けた。
部屋の中に、微かな煙草の匂いが広がっていく。
「なぁ、何の夢見てたの?」
え、と漸く目を合わせれば、彼は口に煙草を銜えたままゆ、め、と返す。
夢。言われて思い出したのが、先程まで瞼の裏で行われていたティータイム。
紅茶と、ケーキと、それから…。
「実は、ダンナがあんまりにも幸せそうに寝てるからさ、それで起こしちゃったんだけど」
ごめんね?と口から煙草を離し、触れる程のキスをされた。しかし、私がそれを再度無下に離そうとすることはない。
彼は、自分が誰に嫉妬しているのかなど知らないのだから。
肺移しに、私の中へ紫煙が入ってくる。それに促されて歯列を開けば、優しい舌が触れた。
「な…アレイスター」
「ん」
体が近付き、長い指が腰に回る。私も彼の首に手を回す。
夢に見た過ごし方とは大分違うが、私にはどちらも変わり無かった。
同じ愛するものとの安らかな時間。
「…愛してるぜ」
「私もである」
いつであろうと、彼が居るだけで幸せに変わるのだ。

fin


後書き

瑠璃様4000Hitキリリク、ティキクロバカップルでした!


とりあえず、二人ともベッドから下りなさい(笑)
バカップルというか、ラブラブですね…。
いやぁもう全クリアしたときはどうなるかと!!!!!(爆)
でもこうして楽しく書き上げられました!
瑠璃様、リクありがとうございました!


write2007/7/5
up2007/7/5

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