おとぎ話

□■Black Poppy
1ページ/3ページ



その花は、淋しがり屋。

その花は、自己中心的。

妖艶な姿は人の心を奪うだろう。


だが、一度【老い】を識り

枯れてしまっては

その姿を誰が愛そう?


淋しがりなそれは

忘れられていく事に

恐怖を覚えるのだろう。

そしてこう思う。


『誰でもいい。

僕を愛して。

僕を1人にしないで。』


そして誓うのだ。

その望みを叶えるまでは

どんなに醜い姿になっても、

どんなに卑劣な魔術を使っても、

死を認めないと。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ