血痕

□U
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深夜0:00。
あれから軽く打ち合わせをした後、僕達は作戦を決行すべく――豪邸の玄関口まで来ていた。



「…それを、持っていくんですか?」



主の手の中にある雲の刻印の付いたリング…を見て、問い掛けた。



「ええ…彼女が……守ってくれる気がして、ね。」



一瞬、彼女がその歳相応の表情を覗かせる。普段、滅多に見せることのない表情。それだけ主にとって今は亡き彼女の存在が大きかったのだと知った。



『この…雲のリングをっ……波月様に……頼み、ますよ、骸…』



主は直接彼女の死を見た訳ではない。しかし…彼女は間違いなく主に1番近い人物だった。



「さぁ、行くわよ」



その主の声で我に返る。
僕はあの日、彼女から使命を受け継いだ。『主を守ること』。ただ、それだけではあったけれども。



「…始まり、ね」



僕はこの使命がある限り――どこまでも彼女についていく。そう誓いましたから。だから心配しないでください、前・雲の守護者さん?
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