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□結婚シリーズ
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※雲雀の場合



彼の帰りは遅い。
朝早くに家を出て、夕食がすっかり冷める深夜に帰ってくる。



「おかえりなさい」


「ん、ただいま」



ボンゴレ本部に寝泊まりした方が楽にも関わらず、それでも彼はたった数時間のために毎日ここへ帰って来てくれるのだ。



「ご飯温めるね。先にお風呂どうぞ」


「そうするよ」



そう言うと彼は私のおでこに軽く唇を押し当て、脱衣所へと向かっていった。彼の脱ぎ捨てたスーツ(またこんなところにほったらかしにして!)をハンガーにかけ、洗濯機を回し、彼に作ったハンバーグを温める。キスしてくれたことになんだか嬉しくなってにやついていると、私の顔のすぐ横に手が置かれた。



「なに笑ってるの?」


「恭弥…!お風呂行ったんじゃ」


「シャワーだけね。…それより、服なかったんだけど」



よくよく見てみると、彼は腰にタオルを巻いた恰好で髪から水を滴らせ、私の後ろに立っている。咄嗟にパニックに陥り、え、ぁ、とか口をぱくぱく動かしている私を凝視した彼は、あろうことかそのまま私を引き寄せた。



「照れてるの?可愛い」


「か、かわいくなんか…っ!恭弥早く服着てよっ」


「はいはい」



返事をしておきながら全く私を抱きしめたまま動こうとしない恭弥。服を着ている時にはわからない、彼の意外にも筋肉が付いた身体を押すと、手首を掴んで纏められた。結局、私には彼のこのスキンシップに対する拒否権などないのだ(嫌、じゃないけど)。仕方なくぽす、と彼の胸に頭を預けた。



「あれ、今日はやけに素直だね」


「…別に」



ぷぅ、と頬を膨らませた私を見て彼はまた優しいキスをくれる。一緒にお風呂入ろうか、と悪戯っ子のように笑いながら言った恭弥に抱き上げられるのは数秒後のこと。














01.雲雀と結婚生活!
2010.02.07
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