NOVEL
□夢の続き *
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夢だと思った。
最後に見る夢に何でコイツが出て来るんだよって、ちょっとだけ泣きたくなった。
でも、目の前のコイツが夢でも幻でもないって分かった途端、涙なんか引っ込んじまったけど。
◇◇◇
C102コロニーからヒイロに助け出され、シャトルの中で意識を飛ばしてしまったデュオは、連れて来られた彼のアパートのベッドの上で目が覚めた。
見慣れない天井に一瞬だけ動揺してしまったデュオだが、意識を失う前のヒイロの顔を思い出して短い息を吐く。
「…まさか…助けられるなんてなぁ」
ぽつりと呟いた言葉が聞こえたのか、ドアが開いて黒髪が覗き込んだ。
「…飲め」
そう言ってぶっきらぼうに出されたボトルを受け取ったデュオは、肩を竦めて軽く笑った。
それを見たヒイロも一安心したのか、デュオの横へ腰掛ける。
「…えっと…ありがとう…って言うべきだよなぁ」
横に座ったままこちらをじっと見据えるヒイロに、デュオは改めて礼を言ってみる。
何の反応もないヒイロに、再びデュオは少しだけ笑って見せた。
「まさかお前が助けに来てくれるなんて、考えてもなかったからさ…。ちょっとびっくりした」
「…俺もだ」
久しぶりに至近距離で見るヒイロに、何て声をかけて良いのか解らないデュオに、彼もまた戸惑うような言葉を呟く。
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