NOVEL

□暴走した故の赤 *
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――とうとうこの日がやって来た。
あれだけ切望し、夢にまで見た瞬間を迎えるのだ――



――誰もが通る道なんだ。
遅かれ早かれ、こうなる事は分かっていたんだから腹括らなきゃ――



ベッドに仲良く並んで座っているヒイロとデュオは、多少感覚は違えど同じ事を考えていた。

それは、今から行うであろう…二人とも初めての行為の事だ。


「デュオ」
「…は、はいっ!」

急に名前を呼ばれ、思わず堅苦しい返事をしてしまったデュオは、緊張している事がバレたんじゃないかと思って恥ずかしさから俯いてしまった。

一方ヒイロも、横でガチガチに固まってしまっているデュオを解きほぐすだけの余裕が自分にはなくて、少し…いや、かなり落ち込んでいる。


だが、いつまでもこのまま何もせずにいるのは「据え膳食わぬは」何とやら。
膝の上で拳を握りしめたヒイロは、チラリと横目でデュオを窺った。

「…!」

視線に気付いたデュオの体がビクリと跳ね上がる。

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