NOVEL

□我輩はヒイロ・ユイであるA
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俺の名前はヒイロ・ユイ。
諸事情により今は黒毛の大型犬だが、本来は17歳の人間だ。

カトルの命によって、犬になる為に俺が屋敷に来てから三ヶ月になる。
と言っても、俺の変体前のデータ等を調べる期間を要した為、実際に犬歴は浅く、たったの二週間だ。


この二週間、色々と分かった事があった。

まず、カトルが俺に飲ませた、開発したばかりの薬「イヌニナール」は、誰かに意図的に飲ませる為に作られたという事。

悪意からの物ではないらしいが、犬にされる側としては決して良い薬ではないだろう。
尤、俺の想い人であるデュオが飲まされる訳ではないようなので、俺には関係ない事だ。

それから、デュオも俺のように破格の報酬を約束されている事。
カトル邸で預かっている知人の愛犬(という設定の俺)を、半年間付きっきりで面倒をみるという依頼だ。

だが、何故デュオが選ばれたのかは分からない。
その犬が本当は俺であると公言しないのだから、世話人は誰でも良いはずだ。

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