NOVELー22

□涙の意味 *
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時折、不安になる。


デュオにとって、本当に自分は必要なのだろうか。
…必要とされているのだろうか。




ヒイロの無理強いから始まった二人の関係。

当時、デュオの近くには可愛い少女がいた。
二人が良い仲だというのは、傍から見ていたヒイロでも知っていた事だ。
だが、ヒイロはその事実を捩曲げてでも彼を手に入れたかった。


――デュオが自分を選ぶはずがない――


解っていたが、どうしてもデュオを自分だけのモノにしたかった。
少女に見せる優しさも笑顔も、全て自分だけに見せてほしい。

純粋で切実な願いはしかし、重く暗い欲望と姿を変えてゆく。
そして、最悪の形となってデュオに牙を剥いてしまった。


ヒイロは力でデュオを捩伏せ、無理矢理自分のものにしてしまったのだ。


だが、ヒイロは長い時間をかけてデュオの心を解きほぐし、いつしかデュオもヒイロを愛するようになった。
ヒイロの凶暴で幼稚な想いは成就したのだが――

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