NOVEL
□IF I GIVE YOU MY NUMBER
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ここは、とあるパーティー会場。
螺旋階段を降りる一人の美しい女性を会場へ訪れた人々が溜息混じりに見つめる中、ただ一人だけは違う人物を見つめていた。
「いや〜リリーナお嬢さん本当に綺麗になっちまったよなぁ〜」
そう言って、呑気に拍手でリリーナを迎える青年。
大腿まで延びた三つ編みを揺らす彼は、まさかこの会場で自分だけを見つめている人間がいるとは思ってもいまい。
「でも…こうやって皆揃うのって、かなり久しぶりだよな?」
「なぁ?」と急に話しかけられ、まともに視線を合わせたヒイロは、思わず喉を鳴らした。
確かにデュオの言う通り、会うのは久しぶりだ。
相変わらずコロコロと変わる表情、大きな海色の瞳、ぷくぷくの頬、腿まで届く亜麻色の三つ編み…。
少年の面影は消えたとはいえ、元々童顔のせいもあり、まだどこか幼さが残っているような気がしないでもない(どっちだ)。
「…っ」
出会ったあの頃よりも、更に鮮やかに映るデュオを間近に見たヒイロが動揺するのも無理はないだろう。
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