NOVEL
□夢の続き *
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「殺す…つもりだった」
それはあの場でも聞いた事だ。
だから、逃げ出す方法など考えていないと、あの時ヒイロは言っていた。
そして、失敗すれば二つの口を封じるだけだとも。
「…お前、もしかしてオレと心中するつもりだった?」
暗い雰囲気が我慢出来なくて、冗談を言ってみたデュオだったが、どうやら地雷を踏んでしまったらしい。
「…それも悪くない」
ゆっくりとベッドへ押し倒され、デュオは慌てて身を捩った。
ヒイロは、何故か以前からデュオに触れたがっていた。
きっかけは何か解らないが、中国の学校で一緒にいた頃からだ。
ヒイロがガンダムと自爆してからは、彼の生死も解らなかったので久しぶりとも言える。
全く有り難くない事だけれども。
「…っ」
ヒイロのそれは乱暴ではない。
それどころか、普段の彼からは想像も出来ないほど慎重に触れてくる。
思わず傷んだ身体を忘れて笑ってしまったデュオは、僅かに声を漏らした。
「……悪い」
そうやって律儀に詫びてくるヒイロは嫌いじゃないけど、せめてこんな時くらいは遠慮して欲しい。
なんせC102コロニーに連れられてから、充分な食事や睡眠も得られず、加えて酷い暴行まで受けていたのだから。
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