NOVEL

□幸福日和
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しかし――
これは一緒に住んでから分かった事だが、ヒイロは基本的に何事においても無頓着だった。

食事は口に入れて害がなければ何でも食べるし、寝る所さえ確保出来れば部屋中埃まみれでも構わない。
衣服などは破れるまで着るくらいだ。

結局、極端に汚くなってゆく我が家を見兼ねてデュオが手を出したのが運の尽き。
今では、デュオが立派な兼業主婦だ。


「…変なモンでも食ったか?」

冷たい水ですっかり目が覚めたデュオは、ヒイロが用意しておいてくれたと思われるフカフカのタオルに顔を埋めて呟いた。

「それとも、昨日の晩…オレ何か言ったっけ?」

ヒイロによってピカピカに磨かれた鏡を見つめて、ふと昨晩のやり取りを思い出す。
だが決定的な理由は見つからなかった。


「何をしている?早く来ないと冷めるぞ」
「お、おう…」


寝乱れて解けかかった三つ編みを一つにまとめ、急かされるようにダイニングへ戻った。
テーブルには先程のサラダやトースト、ソーセージやフルーツなどのオーソドックスな朝食が並んである。

コーヒーを運んで席についたヒイロを、今一度まじまじと見つめた。


「どうした」
「いや…。何…つーか……」

使わなくなって久しいランチョンマットまで敷いている辺り、ヒイロの性格が垣間見える。
ヒイロがもしも女性なら、間違いなく「お嫁さんにしたい元GパイロットNo.1」だろう。

「食べないのか?」
「食べるっ、食べます!」

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