NOVEL

□暴走した故の赤 *
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ヒイロもまた、生まれて初めて味わう、強烈な感情に戸惑いを隠せないでいた。

自分が人を、それも仲間である同じ男を好きになり、あまつさえ触れたいと感じるようになるなんて。
生まれてこの十数年、他人に関心を持つ事なんてなかった。
そして、これからも誰かを「触れたい」と渇望する事なんてないだろうと信じていたのだ。


いつの間にか自分の視界に、そして心にまで滑り込んできたデュオという存在。
好いた相手をに触れたいと思う事は、人として当然の事だ。

「お前の存在が頭から離れない」と告白し、デュオはそれを快く受け入れてくれたのだから、自分を想ってくれているはず。
その証拠に、デュオは(ガチガチに緊張しているが)これからの行為を分かって、このベッドに座っているのだから。


無理かもしれない…
あんなにも触れたかったデュオが、今目の前にいるのだ。
自分を抑えられる自信がない――
だが、もう我慢も限界だ――


ヒイロは意を決してデュオの肩を抱き寄せた。

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