NOVEL

□我慢! *
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しかし、そこはほれ、鈍感を絵に描いたようなデュオが、ヒイロの必死の告白の、しかも本意に気付くはずもなく。

「なんだよ〜またオレ〜?お前が作った方が美味いのに〜」
「いや、違…」
「まぁ居候だから、仕方ねーけど?」

そうブツブツ言いながら、デュオはキッチンへと行ってしまったのだ。

ヒイロ・ユイ、人生初の告白は失敗に終わった…のだが、もちろんヒイロはめげたりしない。
性急だった点は反省し、もう少し作戦を練って再度挑戦しようと心を新たにするのだった。


絶対にデュオを自分だけのモノにしたい。

これまでの人生、色々な物を諦め、我慢してきたのだ。
戦後ヒイロは、欲しいと思ったモノは必ず手に入れなければ気が済まない性格になっていた。


◇◇◇


デュオがヒイロの所へ押しかけて来て一週間目、事件は起きた。

その日は夕方からデュオが出掛けていて、ヒイロは寂しく一人で簡単な夕食を摂っていた。
どこへ出掛けるか、いつ帰るかも言わずに出て行ったデュオに、しかしヒイロは何も言う資格はない。
その事に微かな苛立ちを感じていた矢先。

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