NOVEL

□我慢! *
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「たっらいまぁ〜」

玄関が急に騒がしくなる。
何事かと思ったヒイロが行くと、そこには真っ赤な顔をしたデュオがフラフラになりながらスニーカーを脱いでいた。
泥酔しているので、脱ぐというより最早スニーカーと戯れているとしか見えない。
出迎えたヒイロの姿を確認すると、上機嫌のデュオはへらへらと笑いながら抱き着いてきた。

「…!!」

抱き着かれたヒイロはたまったもんじゃない。
好意を寄せている相手が、酔っているとはいえ自ら身体を密着させて来るのだから。
しかも。

「ベッドまれ連れてっれくれぇ〜」

そんな言葉をそんな風に呂律の回らない舌で言われるのだから、誘っているようにしか捉えられない。
いや、今のヒイロには、そうとしか解釈出来ない。

「なぁ〜、ヒイロぉ〜早くぅ」

ヒイロの首に腕を巻き付けて、更に身体を擦り寄せて来るデュオ。
お酒の匂いと混ざって、彼の独特な甘さを滲ませた香りがして、ヒイロは頭がパニックに陥り…、恐る恐るデュオの背中を抱きしめた。

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