NOVELー22
□涙の意味 *
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今、二人の関係は、飽和状態に陥っているとヒイロは考えている。
寧ろ、一緒に暮らすようになってからの方が、ヒイロの焦燥は増える一方だった。
最近特に感じる、デュオとの間に流れる微妙な空気。
――デュオが離れてゆくかもしれない。
そう考えるだけで、心臓を直に鷲掴みされたように息苦しくなってしまう。
時には、苛立ちに任せて手酷く抱いてしまう事もあるヒイロは、次第に自分の中から余裕がなくなってゆくのを感じた。
――こんな関係を続けるのは、もう限界だ。
今一度、デュオの気持ちを確かめたい。
俺の事をどう思っているのか。
そして、これからどうしたいと思っているのか。
――本当に俺を必要としてくれているのか――
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