NOVELー22
□涙の意味 *
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「デュオ、話がある」
昨夜もデュオを酷く抱いてしまったヒイロは、浅い眠りから覚めるなり、そんな風に話を切り出した。
いつから起きていたのだろう、こちらに背を向けてベッドに腰掛けていたデュオは、微かに震えているように見えた。
「デュオ…、お前に聞きたい事がある。そのままでいいから、まず俺の話を聞いてくれ」
ヒイロは諭すようにゆっくりと話し始めた。
しかし、デュオは顔を上げる事も頷く事もなく、背を向けて俯いたままだ。
「いつも感じていた事だ」
「…」
「…俺にとって、お前はかけがえのない存在だ。昔も、今も。そして…もちろん、これからも」
ヒイロの言葉に、一瞬だけデュオの肩が揺れる。
「デュオ、お前の気持ちが知りたい。…俺を、必要としてくれているのか」
長い沈黙が二人の間を流れる。
返事もなく、俯いたきりのデュオを不信に感じたヒイロが覗き込むと、そこには――
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