novel

□僕らの軌跡〜One year ago〜
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 照りつける太陽の下。

「あっ…」

「どーしたよ?」

「……定期忘れた」

 ガサゴソとカバンの中をあさるが、見当たらない。

「学校に置いてきた…」

「…あっちゃぁ〜。どぉすんの?」

「…取りに行ってくる。木村は先帰ってくれればいいよ」

「確かにこの炎天下で家まで歩いて帰ったら…死ぬな」

「はぁ…早めに気づいたのがせめてもの救いだな。じゃぁ、また明日な」

 クラスメートの木村勇太(キムラユウタ)に手を振りながらきびすを返す。

「おう!生きて帰れよ〜」

 後ろに友の声を聞きながら、来た道を戻る。

 降り注ぐ光は、当に皮膚を通り抜けて体の芯まで灼こうとするかの様に、ヒリヒリとしみる。
 今にも体が溶け出してしまいそうだ。
 熱せられた生温い風が、剥き出しの腕を撫でていった。
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