日常の刹那

□誘惑
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『暗部〜暗殺部隊』



「お前が火影様の懐刀か…」

「……」

干支をあしらった暗部の面とは違う。
黒い面を着けた少年は男の質問に答えない。

男の面も異質だ。
暗部の面とは明らかに違う。

『…尾行されたか…』

部隊本隊は自分の存在を知らない。
追い手を駆逐する存在…

「人殺しは楽しいか?」

質問の意図が測れない。

「…まあ、いい。追い手はもう来ない…」

確かに。
森に静けさが戻っている。

「オレが殺したからな」
クックック

小さく喉で笑っている。
不気味な奴だ。

「何用だ?」
後ろ手に刀の柄を握る。

「お前を見たかったのさ。」
気付くと真横に立たれ、柄を握る手首を掴まれた。

「…。」
速い。これが噂に聞く時空間忍術か…

「刀を収めろ」
男が耳元で囁く。
「言っただろう?お前という存在を見に来ただけだ。」

身体の細胞が拒絶する。
だが、逃げようにも体が動かない。
『…こいつ…』
冷や汗が流れる。

「俺が怖いか?」
「…」
「…フフ…正直だな。」

柄を握る手の力を緩めた。
「…いい子だ…」

雷が 鳴る

「部隊はもうそろそろ里へたどり着いた頃かな?」
「……」
「…見届けるまでが任務かい?」
首を振る。

雨雲が 瞬く間にたちこめて
大粒の雨を降らし始めた。

「…参ったな」
少年を抱き抱え、男は跳んだ。「

先刻までの剣呑さはもう無い。
木の洞を見付けると そこへ潜り込んだ。

激しく 雷が鳴り
空気が 震える。

「見た目より重いな、お前。」

洞の中は狭く、息苦しい。

男に抱き抱えられた姿勢のまま二人で収まっている。


「ハァ…」
つい、ため息が出た。

雷が鳴る


耳元で 男の息遣いを感じる… 巻き付いている腕が
熱い…

「…まだ、怖いか?」
「……」
首を振る。

面がポトリと膝に落ちた。
「何をする
目を手の平で塞がれる。
首筋に、熱と痛み。
訳が解らず、男の腕に縋り付く。
「やっと、喋ったな。」


「離せ
「返り血も余り浴びて無いんだな…」

首筋に さらなる痛み…

腕にしがみつく。
目を覆う手の平の熱が熱い…


「…なん…で?」

異様な雰囲気に危険だと感じるが
身動きが取れない。

男に蹂躙されるがままになっていた。

「…ハァ…」

指先で 胸の辺りを撫でられる

「プロテクターは着用しておくもんだぞ。」

抗う腕をものともせず、男は少年の服の裾を捲りあげる。

「…ひっ…」
のけ反り、白い首が覗く。
男はその首筋に舌を這わし、舐めあげた。

「声を出していいぞ…誰も来ないからな…」
「な…んっで?」
「…欲しくなった…」
「…な…に?」
「お前と言う存在を…」


直に触れられ、過敏に反応する。
「成る程、訓練は受けて無いのか…」
男の手が、腹から、その下へとのびる…

「…そこはっ
あまりの素早さに引き止める間も無かった。

男の手が、少年を掴む。
「…や、止めろ

首筋を舐められ、吸われ、自身はゆっくりと愛撫を受ける。
身体は快楽に反応していく。
「…止め…て…下さい…」
「…どうしてだ?気持ち良さそうだぞ?」

男は 中途半端な高ぶりを離し、更に下へと指を延ばした。

「…

「…成る程な…」
男は少年の耳朶を甘噛みする。
「舐めろ…」
ズボンから引き抜かれた手の指が、少年の唇に押し付けられた。
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