memo

□脚本を辿る
1ページ/1ページ



ぶっちゃけちゃえばスキルがかのニュー球磨川さんと被ったつうね!却本作りね!このヒロインは願えばなんでも叶うスキルでしたがネーミングがそっくりでもう被ったときたら流石球磨川さんと平伏せざるを得なかったです




…私は、箱庭学園一年十三組野原つくし。


つくしって名前、意外と気に入ってるんだ。何か私にぴったりって言うか…

まあその話は置いておいて、まず…説明。…この学園には三つに分けられた生徒達が居て、日々生活をしている。

普通の平凡な、平均点人間示準を満たす普通《ノーマル》。次に何かに関して秀でた能力を持つ特例《スペシャル》、……最後は普通でも特別でも無い、おかしい程に、まるで人間で無い様な、異常《アブノーマル》。

私は異常に入るのらしいんだけど、良く分からない。私は昔から平凡で、何やっても普通だった。だから普通のクラスに入る…と思ったんだけどなぁ。

…まさかの手違い?

私はそう思いつつ、生徒が誰一人居ないがらんどうな教室で、座っていた。

十三組……異常な生徒達は学校に来る事さえが面倒くさい、または必要ないと感じている様で、登校してこないらしい。…まったく、いくら異常とはいえ勉学には勤しまないと駄目なのに…

『…寂しいなぁ』

ポツリと呟いてみる。遠くで何かのスピーチが聞こえ…そういえば、今日は生徒会になる人達のスピーチが有るんだっけ?でも十三組の生徒達は来なくて良いって理事長が言ってたなぁ

『(…浮くって事だね、きっと)』

普通や特例の中に異常一人が入るだけで、目立つ。そんなもの…なのかな

私は静かに目を閉じ、微かに響くスピーチを聞いた。

《世界は平凡か?》

うん。

《未来は退屈か?》

こうもクラスメイトが居ないとね…

《現実は適当か?》

まず何で私が異常のクラスなのか、そこから考えてほしいな理事長に。

《安心しろ》

《それでも生きる事は劇的だ!》

私は目を見開いた。誰、こんなスピーチする人。

わたわたと窓まで走り、体を乗りだし体育館の方を見た。…けど、見えない。当たり前か

《そんなわけで本日よりこの私が貴様達の生徒会長だ》

《学業・恋愛・家庭・労働・私生活に至るまで》

『…凛とした声…』

《悩みごとがあれば迷わず目安箱に投書するがよい》


風が、強く吹き、教室へ行き渡る。

退屈な景色が明るくなった。

その声は真っ直ぐに響き、少しの歪みも無く、

《24時間365日私は誰からの相談でも受けつける!!》

『……すごい』

私の心へ入った。



「めだかちゃん、また段々生徒会室が花だらけになってきたんだけどよ…」

「うむ。そろそろ外にもう一回出すか」

「確かにすごい数だね。」

生徒会長のめだかちゃんは、書類が沢山溜まってきているのか、ペンを片手に二本ずつ持ち計四本で書類にありえないスピードで記入をしながら、会計の喜界島も同じくすごいスピードで電卓叩きながら二人とも普通に話している。

「(そんな状況で話せるって…まぁいいか)」

俺はどっこいしょ、と言いつつも目についた大きい花を持ち上げた。

目安箱に投書された案件を解決する度に花を一輪ずつ増やしてく…それがめだかちゃんの決めた事だったけどこうも直ぐにいっぱいになるとは、驚きだぜ。

「…阿久根書記!善吉の手伝いをしてやってくれんか?」

「あ、はい。」

阿久根先輩が動かしていた手を止め、立ち上がる。同様に花を運ぶ仕草をしているぜ。

「取り敢えず、扉辺りから片付けといこうか人吉クン」

「そっすね。でかいヤツから運んでいきましょう」

俺は花を持ちながら扉を開け、廊下に出た。

「……?」

壁際に花を置いてから感じる違和感。

こう、何か殺気めいた何かが…


『あのッ!』

「うわッ!?」

いきなり背後から声をかけられ俺は情けなくも吃驚してしまった。…殺気は何だ、間違いか?

後ろを振り向くと俺の胸辺りの身長の女の子が居た。見た目からして同級生っぽいな。

『あ、あ、あの、っせ生徒会長さんにごご御用があるのののですがっ、が!』

「(すげぇ吃りだな…)あー、めだかちゃんは今業務で忙し」「どうした善吉、私に客か?」「…めだかちゃん?」

だから明日にしてくれないか、と頼もうとした時、めだかちゃんがニュッと出てきて話す。おい業務は?

「溜まっていた部費関連の書類だがこの前に改正されたのを思い出してな。記入する事が無くなって……野原一年生?」

『くりょっ…黒神さん!はいこれプリント!先生が渡すの忘れていたからって…、じゃあ!』

「まあ待つが良い」

がしり。めだかちゃんが尋常じゃない速さで逃げようとする野原さんとやらの肩を掴む。

珍しいな、めだかちゃんがこんなに嬉しそうなんて…嬉しい?

『黒神さん私部活が有って、急いでるんで!』

「まあまあ、私とお茶を飲む位時間は有るだろう野原一年生!」

『おちゃ…じゅる…ハッ、でも部活、』

「ショートケーキも有るぞ」

『是非お茶しましょう』

分かりやすいな。




「ええーッ!?つくしさんって十三組なの!?」

『は、はい』

黒神さんの巧妙な罠により捕まった私は生徒会室で紅茶とショートケーキを頂いていた。…おいしい

私を十三組と知ったもがなちゃんは(喜界島さんと言ったらもがなでいいよ!と言われたので)びっくりしている。(黒神さんもめだかで良いと言ったけどそれは今度にしよう)

「野原一年生は十三組では珍しく毎日学校に来ていて、私のクラスメートだ」

「へぇ…失礼かもしれないけど、とても十三組には見えないよ」

髪の毛が凄く長い…確か柔道が得意な阿久根先輩がごもっともな意見を言う。

『そうなんです…、私黒神さんみたいに色んな事できないし』

「運動神経とかは?」

『ちょっとしか…』

「じゃあ勉強は」

『苦手です』

人吉君が吟味でもするように質問してくる。何か恥ずかしい

「まあ良いではないか善吉。野原一年生はなるべくして十三組になったのかもしれんし、それを私達がどうこう言える立場ではなかろう」

『でも私本当何で十三組になったんでしょう』

「それは分からないな…。何時か理事長に聞いてみると良い。その時は私も同行しよう。では野原一年生、プリントありがとう」

『あっプリント…忘れてました』

私は最後まで残していた苺を頬張ってからプリントの存在を思い出……この苺おいしい

「口が緩んでるよつくしちゃん」

『わ、すみません』

「謝らなくても良いのに…」

『…何か敬語とかが癖になっちゃって、へへ』

私は頭をポリポリ掻きながら笑う。

癖になった理由は知ってる。生まれながらにして周りに沢山の大人が居て、そうせざるを得なかったからだ。大人には敬語を使う物だろうし。

…でもやっぱり同世代にはため口、が良いのかなと考えたが長年敬語だったので今更ため口を話せる事は中々出来ないだろう。

『(まぁ…いっか)じゃあ黒神さん、私はここら辺で』

「おお、もうこんな時間か。野原一年生は…文芸部だったか?」

『はい、そうです。十三組の生徒が部長って事でまだ一人も部員は居ませんけど』

このどうしようも無い現状で私は困った笑いを見せる。部員が沢山になるのもちょっと億劫だけど、一人ってのも……ね。

「文芸部?…部活対抗水泳大会には野原は出てたのか?」

『ああ、買ったら部費が貰えるって言う……私は出ませんでしたよ。部費は今のままで充分でしたし』

でも見には行った。…黒神さんの騎馬戦は凄かったなぁ。あ、もちろんもがなちゃんと黒神さんの…き、キスも見ましたよ

「しかし…文芸部とは言え部費はいるだろう。何なら私財から」『結構です!』
真面目に言い始めた黒神さんに私は慌てて手を振り拒否をする。黒神さんはお金持ちらしいけどそんな事させられない!

「つくしさんは謙虚だね。私だったら直ぐにでも貰うよ?」

もがなちゃんが不思議そうに首を傾げた。あ、可愛い…じゃなくて、

『駄目です友達にそんな事させられな……ってもう6時!?うわ、今日中に原稿書いちゃおうと思ったのに…、黒神さん、もがなちゃんに阿久根先輩…後人吉君!お茶ごちそうさまでした美味しかったです!』

いつの間にか日が沈みそう!

私はいらないですからね!と黒神さんに釘を刺してから急いで席を立ち、扉をぶち破る勢いで開けて、文芸部……、学校の端の端、小さな空き室へと向かった。


「(……友達、か)」

そんなつくしの背中を阿久根は見やって、フッと何時もの様に笑い。

「さて俺達も運び出しを終わらせようか」

嵐の様に去っていったつくしが消えた廊下をぽかんとして見たままの善吉の肩をポン、と叩いた。



『うっわああ!後一時間しか無い…原稿できるかな…』

これでも一応文芸コンクール的な物に出品している私はダダダダと廊下を走り抜け階段を一段飛ばしして駆け上がり、我が文芸部の扉をスパーンと開けた。

「『あ、こんにちは』」
『…………ん?』

そして一番に目に入った文芸部の椅子に座って此方を見ている、《私》。

「『私、この文芸部に入りたくて来たんですけど』」
「『これ、入部届です』」

ス、と目の前に一枚の紙切れが出された。紛れも無くそれは、私が何時かはと望んでいた物。

『………よ、うこそ?』

「『はい、よろしくお願いします!』」

『ひっ…ひええええええええええ!!!!!!』

目の前でにこやかにお辞儀する『私』に私はずささささと後退りしてズダァンと扉に背中を強打した。(凄く痛い)

「『…ははっ!予想通りのリアクション、ありがとう。僕も嬉しいよ」

『え…っ』

笑いながらビリビリと皮膚を剥がしはじめ、声色が少し低くなった目の前の人。私の顔を作っていたそれははらりと地面へ次々に落ちていった。

「改めて…はじめまして、つくしさん。俺霧ヶ峰涼二と申します」

『…エアコン?』

夕やけに染まる部室の中、私は新たな部員を得る事ができました。ずっと欲していたので凄く嬉しいんだけど……話を聞けば霧ヶ峰くん(同い年だった)は十三組所属だと言う。

じゃあ何で今まで出会わなかったと聞いてみたら


「授業なんて初歩の初歩過ぎてもう飽きたよ」

と言いました。…今の授業についていけない私への当て付けでしょうか…

<脚本を辿る>

(霧ヶ峰くんはどうしてこの文芸部に来たんですか?)
(うーん…つくしさんが可愛いからで)
(……かっ、可愛い!?なななんでそんな嘘を)
((慌てる顔可愛いな))


end
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ