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□第九話「ゲームスタート」
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第九話『ゲームスタート』
『んー…?』
朝、雨の音で目が覚める。
隣には真理亞ちゃんが眠っていた。ベッドのあちらこちらにトランプが有るって事は、皆でカードゲームでもしたのかな。
ふと窓を見ると、どんよりと重い雲が多い被さっていた。
…?
薔薇庭園の柵の向こうに、何かが見える。
目を凝らすと、地面は薄く赤かった。
『何あれ…?』
どこか気になった私は、ブランケットを羽織ってゲストハウスを飛び出す。
脳裏に、昨日の金蔵お爺様の言葉が巡った。
でも、まさかそんな筈は。
地面が赤いのは雨風で散った薔薇の花弁。違和感が有るのは水溜まりができてるから!
どうしてそう思えない?
頭を振り、最悪の考えを追い出す。
違う、そんな、何でこんなにも心臓が張り裂けそうなの!
バシャッ、と名無しさんの靴が水溜まりを叩く。
走る度に連続的に鳴っていたそれもピタリと止んだ。
「…………ぁ…?」
え
私は、柵の向こう側を見た。
赤かったのは、血、だった。違和感が有ったのはッ、
人間が転がって居たから…ッ!!!
*