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□鏡合わせ
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「………名無しさんさん…?」
『あっ、宮田せん、せ………』
俺は目を疑った。
私は目を疑った。
「っ、そんな…」
『どうしてっ、』
彼女が、
先生が、
「何故…」
『…何で』
目から赤い水を流していたのだから。
《鏡合わせ》
『嫌…嫌だよ宮田先生…!』
私はふるふると頭を振り宮田先生から一、二歩後退りした。宮田先生が屍人になってしまうなんて…
私はグッと持っていた包丁を握る。先生もネイルハンマーを持っていたのでそれを使うのだろう。…私はまだ死にたくは、ない。
『先生…』
小さく呟き、此方を見つめる先生を見つめ返した。
とめどなく先生の目から溢れる水に若干顔をしかめ、突然彼が手を振り上げたので私も包丁を刺す形にして持った。
そしてそのまま宮田先生のお腹に――――…
*