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□波乱の茶会
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「名無しさん」

「なぁにイヴちゃん」

「じい、って何?」「「ブフェッファ!!!」」


ギャリーと二人してマカロンを吹き出した。

「イ、イイイイイヴちゃん何かな自慰って」

「分かんない。漢字覚えて読める様になったけど、お母さんとお父さんは教えてくれないし…ゲルテナの絵のタイトルなの」

「あのゲステナが…!」

美術館に迷い込んで以来ゲルテナが嫌いになった私はティーカップを割る勢いで握り締めた。

「…イヴにはまだ早い言葉よ」

「私大人だもん」

「そうだよまだ早いよ」

矢継ぎ早に言えばイヴちゃんの頬が膨らむ。可愛い。


「(はっ…見とれてるんじゃなくて話を逸らさなきゃ…)」


「自慰、って言うのは自分で自分を慰めるこ」「まんま言ってんじゃねーよ!!!!」

パリィン、ティーカップが割れた。まあ良いや。私のだし。

思いの外動転したらしいギャリーは性的な意味でとは言わずだがもう全部の意味を言ってしまった

「…悲しいの?」

「え?…う、うん、そうなの悲しいけど周りに友達が居ないから自分を慰めてるんだよ!」

「可哀想…名無しさんは悲しくない?」

「うっうううん!!!」

「ギャリーは?」

「まあたまには」「この馬鹿野郎!」

マカロンをギャリーの口に突っ込み黙らせた。

「私がいい子してあげるね」

「あひはといふ」

多分ありがとイヴ、と言ったらしいギャリーはマカロンをもくもく食べながらイヴちゃんに撫でられ…羨ま…ハッ!

「…ま…まさか撫でが狙いで…!?」

わなわなと唇を震わせながらギャリーを指差せば、

「名無しさんを出し抜くのは簡単よね」

口端に付いたマカロンのかすをぺろ、と舐めとったギャリーに、お前、

「イヴちゃん私もさみしいーーー!!!!!」

半泣きになりながら頭をイヴちゃんの目の前に差し出した。撫でてくれる感触。ぱぁっと顔を明るくして上を向いた。

「よしよし」「ギャリーイイイイ!!!!!!」

撫でていたのはオネェでした。私の薔薇はもう茎のみよ!



end

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