黒バスで色々パロ中身
□集結
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【ホームズに】スレに残った暗号を解くスレ【なろうぜ】
高尾はこんなスレを授業中に見ていた。様々なスレが残るくろちゃんねる。その中には訳も分からず放置された暗号が沢山有って、それを解いていこうぜ、と言う軽いノリの物だった。
ある程度解いていって、次のスレ。高尾は散々暗号解読をメモしたノートを次のページへ捲る
552>
じゃ次これな
【助けて】別荘の部屋が突然赤く染まりました【下さい】
【幼女にカメラ】怨霊まみれの屋敷にテレポート【託された】
【ヤバい】血塗れの座敷に来ました【です】
【バスケの】やりました!【マネです】
この、最後のスレの中の数字の羅列。多分暗号なんじゃないかって今話題なんだ。何しろこのスレ自体消されたからな
553>
これ知ってる スレは丁度スクショ撮ってた奴が復旧させたんだよな
554>
kwsk
555>
読め、と言いたいが…簡単に言えばバスケ部が山の奥で合宿やって、別荘に泊まっていたある男女組だけ何か血塗れ座敷に飛ばされたんだ。女は二人。怨霊はその別荘が有った場所に有った村の子供達。
子供達は大飢饉の為殺され、両親兄弟が居ない悲しみをこじらせて土地神化までしたらしい。
で、目をつけられたのが女組。一人は御守り持ってたから助かって、一人連れ去られた。
結局女一人で怨霊倒してそのバスケ部員らも戻ったんだ。が、
残った問題が、その数字だ
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さんくす
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助かった
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>555って見てたのか、そのスレ
559@555>
ああ 見てた、リアルタイムでな
すげえ緊迫してたぞ
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見てきた
確かに数字怪しいな
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嬉しさかなんかでスルーされてんな…何か分からんけど解読すっぞ
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らじゃ
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はーい
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頑張るぞ(・ω・)
―――
「(全然わかんねえ…)」
あのレスから、数十分。何度かレスは続くが、違うと言われるの繰り返しで高尾は頭を抱えた。
だけど、何となく。何となくこの数字が重大な物にしか見えないのだ
「(でも訳わから………)」
ふと、高尾が歪めていた眉を直す。目線の先は自らの指の先、携帯のボタンだった
「(そういえば)」
確か彼女は、マネは、携帯でくろちゃんねるに投稿していると何処かに書いてあった気がする。
どくん、高鳴った胸に、高尾は恐る恐ると数字を紙に書いて、ボタンを見た。
最初の数字。軽く触れる様に「6」を四回押す
は、ひ、ふ、へ。「へ」が出てきた
「(次、)」
高尾は肩を固まらせて携帯を震える手で触った
次、次、と。高尾はボタンを押す。信じられない、と。口をぽかんと開けた
「…文になっ、た」
あの訳がわからなかった数字の羅列が、日本語になって。
高尾の前に現れた
『へんないけのまえにきました まねちゃんがまねちゃんじゃなくてわたしは』
辻褄も合っている。合ってしまっている。高尾は見えなかった物語の続きが見えた様な気がして、高速でくろちゃんねるにレスした
―――
「、おー…」
笠松は焼きそばパン片手に携帯を見て感嘆の息を漏らした。今流行りの、くろちゃんねる。暇だったので適当に目についたスレを見てみれば、何だか凄い急展開になっているらしい
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鷹やべえぞ!何か知らんがやべえ!
鷹>
鳥肌やばい
最後は『みんなさよなら』だ
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『へんないけのまえにきました まねちゃんがまねちゃんじゃなくてわたしは』
『まっておねがいまってみんなあかしくんあおみねくんみどりまくんきせくんさつきちゃんむらさきばらくんくろこくん』
『なんでわからないの おねがい』
『みんなさよなら』
614>
これ…完璧マネちゃん山にまだ居ますやん…
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だけど赤達はマネちゃんと居るって最後言ってるぞ
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もしかして:幻覚
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鷹>
623>
624>
ギャアアアアアアアア!!!!!!!
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幼女ーーーーー!!!!!!!!!!!!
鷹>
ウワアアアアアてかさ
626>
お、おう
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なんだ…もう鳥肌立てたくねえよ…(´・ω・`)
鷹>
途中の名前の羅列の中の一人もしかしたらクラスメート&チームメートなんだけど
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まじかあああ
630>
チーム?何部だ鷹お前
鷹>
バスケ☆
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決定じゃねえかああああああうわあああああちびりそう
632
>631つおむつ
つか鷹は聞いてこいそのクラスメートに!佳奈子ちゃんの安否とか!途中で佳奈子ちゃんの記憶とか消されてそうだけどな!
鷹>
有りそうで怖い
―――
此処まで一気に読んで、笠松はふつふつと沸く鳥肌を感じた。
「き、せ」
名前の羅列に有った、自分のチームメートの名前。笠松は釣りかもしれない、と言う気持ちを焼きそばパンをかじり押し退け、ガタンと席を立った
*
「ふうん…むらさきばら、ねえ」
氷室はストローをくわえながら片眉を上げた
愛用の携帯をカコカコ裁いて、今居るスレにレスした。
「(聞いてみようかな、敦に)」
そうにこり、人の好い笑みで笑って、氷室は紫色の彼へ知らせる為立ち上がった
*
「山に合宿、ですか」
桃井は原澤に聞き返す。原澤はええ、と頷いてから桃井に一枚の紙を渡した
「山の奥ですが…別荘です。様々な高校との合同合宿ですので、桃井さん。情報収集よろしくお願いしますね」
「誠凜に…海常、陽泉に秀徳に洛山!?何と言うか…キセキの世代全員ですね…」
「ええ。キセキ同士で練習しようと…あちら側も全員キセキの力を見たいのでしょう」
「わ、分かりました…」
桃井は信じられない、と言いたい位驚いていた
あの、皆がまた集まれるなんて。嬉しさと緊張で顔が緩むのを桃井は止めれなかった
*
「…え、?」
「だから、合宿。決まったんだ。○○山って所」
「○○山、」
「……何か駄目だったか?」
「その山、私が居る場所…なんだけど、」
「…………え、」
「へえッ、へええ!?」
何度か夢の中でやってきた座敷の上で着物姿の佳奈子が仰け反る。
火神は火神でマジかよ、と呟いて姿勢を正した
「しかもこの…夢に持ってこれたの、この紙見たら…え、火神君この別荘泊まるの?」
「ああ、まさか、」
「私この別荘泊まってたんだー…」
アハハ、乾いた笑い声に、火神は目頭を揉んだ
「だ、駄目来ちゃ!怨霊になっちゃう」
「多分無理だな…カントクが決めたから」
「ああ…リコちゃん、だっけ」
「それに俺らが行かなくても、他の高校も来るんだ」
「他、って?」
佳奈子が紙を握り締めて火神を見る。さらり、と黒い髪の毛が揺れて、漆黒の目が揺らいだ
「…他の、キセキの世代が行った高校、全部だ」
「…………駄目…あの子、覚えてる、きっと」
どうしよう、と佳奈子が狼狽え始めて、少し考えた後に火神に向かって話し始めた
「もし、…この山へ来る事が回避出来ないなら。塩と火種は持ってきてね。後此処の怨霊は物理攻撃が効くけどトドメはこのカメラで撮らないと怨霊は消せないの」
「カメラで怨霊消すのか?変わってんな」
「写真に閉じ込めるの。燃やすと尚更怨霊を成仏させれるから出来るだけ写真を燃やしてね。カメラは火神君に渡せないけど…この部屋に置いておくよ」
「おい、佳奈子が巻き込まれた異界、っつーのは此処なんだよな?」
「うん。廊下出たら怨霊湧き出てくるから…後迷いやすいの。目印立てとくね」
「この部屋に、実際来るのか…俺出来るか?」
「大丈夫。…火神君ちょっと変なのに好かれやすいけどそこは私が守るから」
「カメラも、使えるのか…?」
「あ、今教えるよ。これ有ればあの子に会ってもこれで撮れば異界消せるらしいから、撮って逃げてね」
「あ、ああ」
妙に迅速な佳奈子に圧されつつ火神はカメラを手に取った。まず今時の電化店ではお目にかかれない古びた物に、確かにこれなら封印とやらも出来るな、と一人笑って。
…決して自分を助けてと言わない佳奈子に視線をやった
(何でだ、佳奈子)
(…何で)
*
赤司はぺらり、紙に目を通す。部活の練習後に配られた紙は合宿についての物で、
「(○○山、?)」
知ってる様な、知らない様な。このモヤモヤは何だ、と赤司は人知れず眉を潜めた。
キセキが集まるのにもそれは関心が行ったが、それより、違う大事な事が有った気がする
「(何か、僕は大事な事を忘れてないか)」
○○山。どうにも違和感が有る山の名前に赤司はオッドアイを歪めて別荘の見取図を見ていた
*
「……今日、来るんだよね」
佳奈子は悲しそうに火神に言った
「ああ。起きたら即出発だ」
「来て欲しく、ないなあ」
「…佳奈子」
肩を震わせ始めた佳奈子に火神はふ、と彼女の指先に触れてみた。冷たく氷の様なそれに驚いたがそれよりも佳奈子の方が驚いていて
「…か、がみくん?」
「大丈夫だ」
びく、と佳奈子が白い着物の裾を揺らした
血の様な赤に染まった襖に囲われてぼんやりと光った様に見える彼女はそれこそ神様の様で、溢れる涙はきら、と光って畳に落ちた
「絶対全員、怨霊なんかにさせねェ。…ビビっちまうかも、けど」
「…うん。気をつけて、気をつけてね」
「明日、佳奈子と会えるのか?」
「会わないのが一番良いけど…多分、そう」
「じゃあ…道案内、よろしくな!」
火神の太陽の様な笑みに佳奈子はまた泣きそうになって。睫毛を濡らして小さく頷いた
(君は太陽の様な人)
(影のあの子が惹かれるのも分かる)
*