黒バスで色々パロ中身
□終焉
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「チッ…紫原か」
「抜け駆けはさせないよ。はい佳奈子ちん、佳奈子ちんのんまい棒」
「んむ!?……おいひい、」
「はは…佳奈子ちゃんリスみたいだね」
「む…!」
言い返そうにも口の中がんまい棒でいっぱいで何も返せなかった。紫原君が室ちんだよ、と紹介したので会釈した
「別荘の部屋が赤くなった時…大我が誰かと話してたんだけど、あれは佳奈子ちゃんだったのかい?」
「あ、…はい。カメラの場所とか、色々」
「じゃああの時もう佳奈子ちんは部屋に居たんだね〜…俺も見えれば良かったのに」
何だか残念そうな紫原君に氷室さんがしょうがないよ、と言った。
「それにしても…人が多いな」
「ああ…これだけあの怨霊達が取り込んでいたなんて、未だ現実味が湧かないな」
「赤司君がさっき警察関係に電話してました…多分後数十分で色々来ますよ。この人達の周りの人の記憶も戻ったので」
「へえ、そうなんだ」
氷室さんと紫原君がじゃあちょっと探索してこようか、と言ったので私は地面に下ろしてもらおうと口を開いたが紫原君が先に「あ、黄瀬ちーん」と黄瀬君を呼んだ。
少し遠くに居た黄瀬君だけど、私を見た瞬間顔が輝いた気がして。人混みを掻き分けて此方に来た
「佳奈子っち!良かったッス、今まで見つからなくて…紫原っち、俺が佳奈子っち持つッス」
「…なんかやだな〜」
「えっ何でッスか!?」
「まあ良いや。落としたらヒネリ潰すよ」
そう言われてぽふ、と黄瀬君の腕に収まる。私は紫原君が意外と過激な事を言ったのに驚いていれば、何か爽やかな香りがして、黄瀬君の顔を見た
「…佳奈子っち、良い花の香りがするッス」
「黄瀬君も、良い香りするね」
「俺のは香水だけど…佳奈子っちのは自然に、と言うか…」
とにかく良いニオイッス!そう言って拳を握った黄瀬君に何故か犬の耳が見えて、思わず撫でた。ワックスの感触がして、ああそういえば黄瀬君はモデルだったな、何となく思い出せばいきなり近くに有った黄瀬君の顔がくしゃりと歪む
「…佳奈子っちに、頭撫でてもらうの久しぶりッス」
「…そうかな」
「一年ぶり、ッスよ、一年ぶり」
ぼろろ、とせきどめる事なく流れる涙に私は少し慌てた。
「き、黄瀬君泣き止んで!よっ…よしよし!」
「余計泣くッスよおー!」
高校生なんだから!そんな意味合いも込めて頭を押し付ければまた眉を八の字にして涙が溢れる彼に私はどうしようか分からなくなった
「よーし佳奈子ちゃん避難ね」
慌てていれば浮遊感と共に黄瀬君のシトラスの香りが離れて、次は木の様な落ち着く香りが包み込んだ。見上げればにこり、と笑う茶髪の人に軽く会釈して
「テ・メ・エは何時まで泣いてんだ!!!」
「っいだァッ!?こっこの容赦無い蹴り…笠松センパイッスね!?」
「そうだ!お前当事者の白石より泣いてんじゃねーよ!勘違いすんぞ!」
「だ、だって…」
「オラ立て!」
げいん、と地面にへたり込んだ黄瀬君のお尻をまた蹴って立たせた彼を見て笑いながら私は黄瀬君は良い先輩を持ったんだな、と思った
「いいな、」
賑やかな二人を見て、高校に行ってみたい。そんな願いがぽろりと溢れて、慌てて口をつむいだ。
けどその呟きは私を持っている人とその隣に居た女の人が聞き取っていたらしく
「誠凜高校は良い所よ!新設だし黒子君と火神君居るし!」
「君が入ってくれればモチベーション上がるしな、黒子が」
ずずい、と近付く女の人を見て、火神君との会話を思い出しあっと声を出す
「…あの、もしかして…リコ、先輩と木吉先輩…?」
目線を移動させながら火神君から聞いた雰囲気と確かめる様に聞いてみる。…ああ、多分、ビンゴ?
「そうよ!あ〜何か女の子からの先輩呼び新鮮!これが毎日聞けるなら体張った甲斐が有るってもんよね!」
「……………!」
「ねえ佳奈子ちゃん、俺ら分かる?」
「あ、えっと…み、水戸部先輩に、小金井先輩です、か」
火神君から聞いた菩薩の様な人と、猫の様な人。どうやら当たっていたらしく顔を輝かせた
「すごっ!なんで分かったの!?」
「火神君に誠凜高校の事は聞いていたので…火神君は霊感が強くて、黒子君の近くに居たからか毎晩夢の中で私と話していたんです」
「へえ、凄いな」
あっちの眼鏡の人は日向先輩、後もう一人は…伊月先輩ですか?…土田先輩は見当たりませんが…
と言えばリコ先輩にパーフェクト!と言われて。
「佳奈子ちゃん火神君から特徴聞いただけで当てるなんて観察眼有るわね…やっぱり欲しいわ」
「へへ…」「僕もそう思います」「うわあっ!?黒子君!?」
デジャブか、見えない所の至近距離から声をかけられて肩をはねあげた。ばっ、と首を動かせばムスッとした黒子君が居て、木吉先輩が笑いながら私を黒子君に渡す
「……あ、黒子君私重いから、」
「何言ってるんですか。軽いです」
黒子君の目に見詰められつい逸らしてしまう。…黒子君ってこんなに力有ったっけ、
「男子三日会わざらば刮目して見よ、かな」
「ふふ、そうですね。…それと佳奈子さん」
ムスッとした表情が若干和らいだけど寄せた眉はあまり和らがず。私はちょっと肩を縮こまらせて黒子君を見た
「…何で僕の夢には出てこなかったんですか」
「……………ん?」
「僕の夢に出てきてくれたらこんな合宿介さずに直ぐにでも来たのに」
「……え、と、黒子君は私と完璧縁が無い状態まで断ち切られてたから…霊感有っても会いに行けなかったんだと、思う。火神君は黒子君と仲良しになったから…なのかな」
「…そうなんですか」
黒子君は私を抱き上げたまま悲しそうにした。私はそんな黒子君の頬を撫でて、しょうがないよ、と言った
「…いずれにしよ佳奈子さんには寂しい思いをさせてしまいましたね。僕が償います」
償います、は殆ど囁かれる様に言われた。…黒子君こんなに体、大きかったっけ、こんなに声、低かったっけ
「………あ…」
「佳奈子さ」「あーっ居た黒子に佳奈子ちゃん!いやあ俺すっかりくろちゃんねるにレスすんの忘れててさー、スレ民が不安で押し潰されそうになってるから此処は一発集合写真で、もっ、ちょっと黒子顔怖い怖い怖い!!!」
高尾君が異界に入り込んだ人達を背後にやって、携帯をちらつかせた。私はお世話になったくろちゃんねるにもお礼を言いたかったけど、黒子君が動いてくれなくて。
「黒子君、行こ」
「……良いですよ」
頼む様に言えば快諾したのに安堵して、私達は人混みに向かっていった
*
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ほしゅ
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鷹達全く来ねえな…
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幼女が俺らの事迎えにくるんかな
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可愛いと良いな
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佳奈子ちゃんを姉とすんならそりゃ可愛いだろ
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あー大丈夫かな…
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こんなに泣きそうなの久しぶりだ(´・ω・`)
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つティッシュ
鷹>
つ【赤司に姫抱きされた佳奈子を囲む様に立っているキセキ、誠凜メンバー、保護者組の写真】
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つローション
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鷹>
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もう良いよなウオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!
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涙腺崩壊レベルじゃない!!!!!!!!!
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人多くね!?やったあああああああああああああ
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おい今速報で!!!○○山で行方不明者百余名救助だって!!!!多いwwwwwwwwww
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わああああああああああ佳奈子ちゃん良い笑顔してんなああああああ可愛いいいいいいい
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赤様とこれは夫婦になったな!おめでとう!!!!!!!!!
黒>
何冗談言ってるんですかさせませんよ
黄>
佳奈子っちは俺が貰うッス
桃>
赤司君でもさせないからね
青>
テメエ上等じゃねえか
紫>
ヒネリ潰すよ
緑>
人事を尽くしていない者の言葉なのだよ
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かくして889は居なくなったのであった…
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レス速いだろwwwww
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つか上からも下からも水が…
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俺こんなに興奮したの久しぶり
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禿同
―――
佳奈子は高尾の携帯を見ながら笑った。雄叫びばかり続くスレに、私を助けてくれようとした人達が外部にも沢山見えて。
「………っ、」
我慢出来ずにまた涙が落ちてしまった
「……みんな、」
別荘へ帰っていく皆がこんな私の小さい声でも振り返る。
「ありがとう…!」
個々の笑顔が、朝日に照らされて、私にはとても眩しかった
*
これは不思議な物語
山の子供に好かれた女の子が、浚われた物語
一年を経て解放された女の子が、紡いでいく光の物語…
end
ホラーじゃねえ感満載ですが終わりました!拙いですがここまで読んでいただきありがとうございました!!!!
本当はかごめちゃんが佳奈子ちゃんの守護霊になる話も有りましたがそれをやるとバヌケになったり超次元バスケになったりしたので取り敢えずやめました(笑)