黒バスで色々パロ中身

□緑間くんと薬草学の宿題をする
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「…ちょっと余ったなあ」

私が愛するホグズミードの一角に有る、雑貨専門店。私は手のひらに有る一枚の金貨を見た

「(…ちょっと他の雑貨、見てみようかな)」

既に欲しい物は買い終えた私は紙袋を持ち直して広い店内を探索する事にした







「…白石?」


「え、緑間君?…珍しいね此処で会うなんて」

「ちょっとな。白石は何か買い物だったのか」


「うん。今は終わって暇だけど、何か買おうと思って」

紙袋に入っているインクやら羊皮紙やらを見せれば緑間君は成る程と頷いてから、壁に沢山嵌まっている引き出しを見上げた

「今日のハロモニのラッキーアイテムが、二人で作った物、と曖昧でな…ホグズミードまで探しに来たのだよ」

「ハロモニって、ハローモーニングの事?好きだねえ緑間君」

毎朝新聞の隅に載っている小さな占いコーナー。緑間君があのコーナーの信者で有る事は知っていたけどラッキーアイテム探しにホグズミードまで来るなんて、流石だなあと思って。


私も棚を見上げる。黒イモリ、ホオズキ、黒猫の爪…此処までぼんやりと見てから私はゲッとはしたない声を出してしまった。驚いている緑間君に謝ってから若干焦って話す

「……薬草学の宿題でね、惚れ薬か暖め薬どっちか作るの忘れてた…!うわああ、今日作らないと」

「その金貨一枚だと暖め薬の材料がギリギリ買えるのだよ…そうだ、白石」

「はえ?」

焦った手つきで引き出しから火トカゲの尻尾を六本掴んだ所で(掴み過ぎだと言われた)、緑間君が眼鏡のブリッジを上げてから言いにくそうに私を見た

「…俺も少し材料を買ってやるからラッキーアイテム作りを手伝うのだよ」

少し、赤くなった耳。私はそれをぽかん、と見て次の瞬間満面の笑みになった


−−−


「えっと、暖め薬の材料確認ね」

「火蜥蜴の尾、唐辛子…バタービール数滴にドラゴンの涙。完璧なのだよ」

「流石緑間君、薬草学成績優秀者だね」

「当たり前だ。人事を尽くしているのだから」

人事を尽くして天命を待つ、緑間君の座右の銘にそうだね、と返してから教科書を開い、あ、

「み、緑間君レシピ見なくても良いの!?」

「暖め薬なら寒い日に多用するしな。覚えたのだよ」

「すっご、手さばき早いね」

「……フン」

そっぽを向いてしまった。やはり、耳が赤いので私は微笑んでからてきぱき材料を鍋に入れる緑間君の横でお玉やらお皿やら用意する

「ん…熱いなあ、やっぱり」

暖め薬を製造する時は決まって湯気に当たって体が暑くなる。ホグズミードは極寒だったのに、と思いながらローブを脱いだ


「緑間君脱ぐ?ローブ」

「…この調合が終わったらな」

「あーそこ目離しちゃ駄目な場所…全部やってもらってるし、私脱がせるよ」


「……っな」


緑間君が首筋に汗を浮かばせているのを見てからローブに手を掛けた。緑間君は若干体を強張らせたが、肩のローブを下げれば脱ぎやすい様に腕を動かしてくれて。

「…すまない」

「あはは、私がお礼言いたい位なのに」

脱いだローブを貰う。女性用とは違う重さに驚いてから纏めて机の上に置いた


「……あつい」

「もう少しで出来る」

「緑間君眼鏡曇ってない?レパロ!」

水滴や湯気で白く見えた彼の眼鏡に杖を向けた。綺麗になった眼鏡に助かる、と短く告げる緑間君に頷いてから私は緑間君をじいっと見る

「……」

『……』

「……」

『………』

「…そんなに見られるとやりにくい」

『緑間君睫毛長いなあって思って』

「……そうか」

『…後で一本下さい』

「何故そうなる」

『姿変わり薬作りたくて…緑間君に変身してみたい』

「俺になっても得な事は無いがな」

『睫毛美人になりたい』

「(睫毛美人!?)…………無意味な事をするな。出来たのだよ」

はあ、と溜め息を付いてから緑間君がお玉に薬をよそってビーカーに入れた。私はやった!と笑ってからビーカーを二つの小瓶に分ける

『はい、緑間君の』

汗を拭う緑間君の前にコルクで栓をした小瓶を差し出した。眼鏡を外して拭きながら受け取る緑間君にありがと、と言ってから私は杖を取り出す

『《戻れ!》』

そう言えば薬の入っていた鍋は綺麗になり、棚に戻る。途端に襲う冷気にブルッと体を震わせれば、ローブが肩に掛かった

「風邪引くのだよ。シャワーでも浴びると良い」

『うん、そうする…緑間君優しいね』

「っ、五月蝿い」

『へへ…あ、緑間君これからクィディッチの練習?』

部屋を出てから生徒がちらほら通る廊下を歩いていれば、窓から見えたクィディッチの練習に、聞いてみた。頷く緑間君に私はととっ、と数歩彼より前に進んで。

『じゃ、後で暖かい飲み物とか持って行くね!お礼だから、待ってて』

直ぐ作るからね、そう言って私は我が寮へ駆けていった

「…………っ」

その言葉に少し笑顔になった緑間君を、私は見れなかった





 

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