黒バスで色々パロ中身
□紫原くんが真性プリンセスに振り回される
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紫原の隣に座る女子は、正真正銘のプリンセスだった
プリンセスと言えども性格が高飛車なお姫様気質と言う訳では無く、本当に、そうなのだ。
「歌ってたら鳥たちが彼女の周りに集まりハミングしだした」
「花びらが彼女の周りを常に舞ってる」
「裁縫スキル凄い」
「料理上手すぎ」
等、彼女と接した人々は後に必ずこういう事を呟くのだ。そして、そのプリンセスの隣の席になった紫原敦。彼は彼で特殊ではあったが、彼女の前ではどうなっていったのか。
「紫原くん、おはよう!」
「チュン!」
「…ナチュラルに雀も挨拶してきたんだけど」
彼の受難を紹介して行こう。
*
「(んあ…?)」
紫原は涎を垂らしながらふ、と目覚めた。ぼんやりとした視界のまま周りをくるりと見渡せば、律儀に席についている黒々とした頭。まだ授業中かと理解し、さてもう一眠りと体制を変えれば隣の白石佳奈子もふわあ、と小さく欠伸をする
「…眠いの?」
あまり親しくは無かったが、何となく、話し掛けてみた。佳奈子は少しだけ目を見開いて、そして小さく微笑み「お日様が暖かいから」そう呟く。
「(お日様、ねえ)」
今時そんな言葉使う?と若干引いてから紫原は「ふーん」と返した。この時点ではまだ紫原は彼女、佳奈子がプリンセスである事を知らなかったのだ。
すると佳奈子がうつらうつらとし始める。太陽の光に当たり輝く髪の毛をぼんやり見つめていた紫原は次の瞬間完全に意識を覚醒する事となった
ピーチチチ…
「…………!?」
何と、開け放たれた窓から入り込んできた二羽の雀が完全に突っ伏した彼女の肩に何処からともなく持ってきた薄紫の膝掛けを掛けた、のだ
「(な…、なんなの)」
雀の動作が訓練された位に綺麗に彼女の肩に膝掛けを掛けたので思わず紫原は見入る。雀は佳奈子の肩に止まったまま二、三首を傾げ、そして窓から羽ばたいていった
一体今起こった事は何だったのだろうか。紫原が完全に覚醒した頭で考えている内に授業終了のチャイムが鳴ってしまったのは言うまでもない。
(う…あれ?え…これ紫原くんの?)
(鳥が…外から持ってきたやつ…)
(ええっ!?またぁ…)
((また!?))
*