黒バスで色々パロ中身

□実渕先輩と超次元サッカー少女
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「ファイアァアアア!!!トルネーッェエエッ!!!ドーーーッ!!!!!」

ドゴオォン!



「っふう…どうですかキャプテン!」


「凄いわ…佳奈子ちゃんがいれば日本大会…いえ、全国だって夢じゃない!」

「つうか宇宙制覇できるんじゃ…」







「………なっ…」

ぽかん、と言うよりがばん、な位口を開けた実渕。睫毛のたっぷりとした目は見開かれ、指先はふるふる震えながらも少し先に居るサッカー部らしい彼女に向いていた


ファイアートルネードとか叫びながら天高くボールと共に跳び、空中で回転しながら(この時どういう訳か足が燃えていた)渾身の力を込めてゴールにシュートを放った彼女。めらめらと燃え盛るボールは物凄いスピードのままネットに突き刺さった、のだが。

「(…部活帰りに何となく見た光景にしてはインパクトが有りすぎる、わ)」

洛山高校男子バスケットボール部の練習後、そこそこ疲れていた実渕礼於は太陽のように輝くシュートに完全に思考を止めていた



「…何かアニメみたいねえ」


ぽつりと呟く。目下で練習が終わったらしく汗をタオルで拭っていた彼女を見ていれば、ばちりと視線が交わった

「、」


実渕は咄嗟に目を逸らす。不躾にじっと見ていたのと、彼女のまっすぐな目を一瞬見ただけで、逸らしたくなるぐらいに彼女の目は夕日で輝いていたからだ

「(はあ…びっくりした)」

すぐさま早歩きでグラウンドから立ち去る実渕。彼処にボーッと立っているとあの子に顔が覚えられそうで、即座に実行に移したのだが、

「…みぶち、せんぱい?」

「っ…!?」

「あっ、やっぱり」

にこり。ガッと手を掴まれて実渕は足を止めた。振り向けば、輝くような笑顔。

「……私の事知ってるの?」

落ち着こうとしていた胸がまたばくんと跳ねる。彼女は腕を掴んだまま口を開いた

「バスケ、凄い上手ですから」


覚えてました


彼女がユニフォームを風ではためかせながら実渕を見つめる。実渕はそんな彼女に見とれながらも、「そう」と返すのに何故かいっぱいいっぱいだった

「赤司くんも凄いけど、実渕さん達も凄い…前に初めて見たんですけど、バスケも面白いですね」

「ええ、まあ…」

「私はサッカーなんですけどね」

「……さっき貴女のシュート見たわ…ファイアートルネード?だっけ、凄かった」

色んな意味で、とは口を出さずに実渕はどぎまぎと彼女と目を合わせながら話した。本当は心を見透かされるようなあの瞳を見たくはないのだが、いかんせん彼女が異様に此方を見つめてくるのだ、合わさざるを得ない

「本当ですか!?あっ、…ありがとうございます」


「………」

彼女の瞳がゆらゆら揺れて地面に向いた。…案外可愛いこ、なのかもしれない

少し褒めただけで照れてしまった彼女に実渕は何とも言えないむず痒い気持ちに眉を寄せる

「……あ」

実渕は彼女の名前を呼ぼうとして、ふと気付いた

「そういえば、貴女の名前は?」

「………あ…」

彼女が不安気に此方を見た。先程は真っ直ぐだったのに、今は何故揺れているのだろう

「え、と」

もじもじてれてれ、

あのファイアー何とかを繰り出した時の彼女とは似ても似つかない姿に実渕は軽く首を傾げる

「どうかしたの?」

「え、あ、…っ」

俯く彼女の顔を覗き込めば果てには顔を真っ赤にして口をはくはくさせた。…大丈夫よね?


「…白石、佳奈子…で、す!」

「分かったわ、よろしくね佳奈子ちゃん」

そう言った瞬間佳奈子ちゃんは涙目になり、真っ赤なまま俯いて、こくこくこくと何度も頷いた

「…大丈夫?」

「えっ、あっ、」

どれだけ彼女は赤くなるつもりだろうか。あたふたと視界をさ迷う彼女の手に苦笑して、真っ赤になりながらも何か話そうとしているので、此方も見詰めながら待つ事にした

((ぶ、部活終わりで…高いテンションのまま話しかけちゃった…!))
((…この子良く見たら可愛いわね))
((実渕先輩かっこいいなあ…わあ…))
((あら、固まっちゃった))






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