銀魂小説

□まさかのVD?!
1ページ/4ページ

その日、校内は静けさを保っていた。


【まさかのVD?!】


銀魂高校教師坂田銀八はそんなことは知らず、満面の笑みを浮かべ自分の教室へと足取り軽く向かっていた。
今日はバレンタインデー。
バレンタインさんとかいう教祖が射殺された日だとからしいが、銀八にとってはそんな縁起の悪い日ではない。
バレンタインと言えば、女子が好きな奴に愛の言葉と共にチョコを渡す日である。
この際、お菓子会社の陰謀だとかも関係ない。むしろありがとうと感謝の念を送りたいくらいだ。
しかも今までの感謝を込めてチョコを渡したりするし、義理チョコだってある。
チョコを貰える確率は上がるばかり。
これてもモテる銀八はプラス教師という特権を活かし、大量のチョコを貰えるこの日が楽しみで楽しみで仕方ないのだ。
タダで糖分が摂取できる日なのだから。

ガラッ

「おはよう、諸君!さぁさぁ、チョコを渡して頂戴!!」

教室はしん、と静まり返っており、銀八は首を傾げた。
3zの教室に男子が何人かいる程度で、女子が一人もいない。
取り敢えず目の合った新八にこの状況を説明してもらおう。

「オイ、志村弟!何これ、何で女子いないんだよッ?お前の姉ちゃんはどうした?」
「え?先生、聞いてないんですか?」

おかしいなぁ、と新八は首を傾げる。
そして銀八は何だか嫌な予感がした。

「(いやいや、まさかね!)」

ガラッ

「金時ィ〜おんしゃあ、せっかちな奴ぜよォ!職員会議終わったらさっさと教室行きよってからにぃ」
「た、辰馬?…てか、金時じゃないしッ!一文字も合ってないからね?!」
「細かいことは分からんきに」

豪快に笑っているこの男は、銀魂高校教師坂本辰馬だ。
銀八と同じく天然パーマだが、銀八以上に暑苦しい。夏場は遠慮したいくらいである。
話はずれたが、3zの副担でもない坂本が何故ここにいるのか。漫才を始めた銀八は気付いていない。
終わりが見えない二人のやり取りに新八は頃合いか、と口を開く。

「用があったんじゃないんですか、坂本先生?」
「おぉ!そうじゃった!金時、おんしに用があったんじゃ」
「いや、銀八ね?」
「おんしのクラスの女子は全員休みじゃ」
「へぇ〜、そうなんだぁ…ってぇぇえ?!」
「全員インフルエンザだそうきに」



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ