銀魂小説

□ホワイトデーには純粋な愛を君に
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【ホワイトデーには純粋な愛を君に】



最高のバレンタインを過ごした1ヵ月後。
とうとうこの時がきた。

『ホワイトデー』

が!!

待ちに待った今日、俺は晋助が学校に来るのを今か今かと待ちわびていた。
本当は家とかに呼んで愛を育むのも考えたのだが、晋ちゃん恥ずかしがり屋だからさ。
きっと家に来てくれないと思うんですよね。
あれ、何だか前が霞んで見えない・・・。

そんなわけでぇ。
ここ、国語準備室で愛しの晋ちゃんが来るのを待っているわけです!!
早くおいで、晋助!
とっておきのお返し、用意してるんだからね!!


「銀八ィ〜、来たぜぇ」
「は〜い!いらっしゃい、高杉君!」
「たく・・・何の用だよ?俺は忙しいっていうのに」
「ゴメンね〜。でも、今日じゃなきゃダメなの!!」
「は?」


今日が何の日か気付いていないのか、首を傾げる晋助が愛おしくてかなわない。
俺はそんな晋助に優しく教えてやる。
あぁ、先生なんでこんなに優しいんだろう!!


「今日はホワイトデーだよ!晋ちゃんがバレンタインにチョコをくれたからそのお返しを今日するの!!」
「・・・あ、今日ホワイトデーか・・・ってあぁ!!」


突然叫んだ晋助に俺は情けないことに肩を揺らした。
いや、ホント情けない。
あの、見なかったことにしてくれる?

そんなことを思っていると晋助が再び国語準備室のドアを開け、出て行こうとする。
俺はそれを慌てて引き止める。


「ちちちちょっとォォォ!!ホワイトデーって言ったよね?今日お返しするって言ったよね?!なんで出てこうとするわけ?!いや、別に下心とかないからぁ!あわよくばちょっとエッチな展開になっちゃったり?とか考えてないからァ!!」
「放せェェェ!!ホワイトデーだから帰るんだよォォォ!!忘れてたんだよォ!ホワイトデー忘れてたんだよッ!!」
「だからなんで帰るのォォォ?!それ聞くまで絶対放さないから!!」
「お返しだろ?!お返ししなきゃ何ねぇんだよ!!」
「ちょっ、貰ったの?!バレンタイン貰ったのォォォ?!」


嘘だろ?!
晋ちゃんの下駄箱や机に入ってたのは回収済みなのに、一体何時、誰が渡したの?!


「てめぇぇぇ!!今回やけにバレンタイン貰えないと思ったら、んなことしてくれてたのかァァァ!!」
「別にいいでしょ?!チョコ食べないじゃん!いつも俺にくれるじゃん!!」
「そういう問題じゃねぇ!あぁ、もう!いいよ、別にそれはぁ!兎に角コンビニに!コンビニに行かせろッ」
「誰に貰ったんだァァァ!!言えッ銀さん怒らないからァ!」
「てか、何でこんな俺たちこんなに叫んでんだァ!!疲れた!もう叫び疲れたァ!!」


はぁはぁ、と息切れ気味に手を振り払う晋助に俺はなおも言い寄る。
浮気?!
それはイヤぁぁぁ!!


「バカがッ!また子だよ!見てただろ?」
「・・・あ、あの恋人でもないのにそれっぽく揉めてた・・・」
「そーだよ。・・・貰ったからには返さねぇと」
「・・・妙に律儀なのね、高杉君」


恋愛の方にも律儀になってほしいもんだね。
愛してるから愛してよ。
あ、でもそれって同情とかになるんじゃね?
ホントに愛してほしいんだけど。



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