銀魂小説

□出会い
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初めて見た君は全てが敵だとばかりに遠ざけて、鋭い眼光で世界を否定していた。


【出会い】


物心ついた頃には俺は施設にいた。両親が居ない代わりに、周りには自分と同じような子供達ばかりが居て、顔も知らない両親に悪態をついた。
こんな髪の子が生まれてきたから捨てたのか、気持ち悪いと実の子を。
そう思いながら暗い幼少期を過ごした。

人を信じる心など、知らないままに。

そうやって過ごしていれば友達など出来るはずもなく、俺はいつも一人だった。
子供達も施設の先生達も俺の髪を見て、近付きもしなかった。俺にはそれがちょうどよかった。
でも、先生だけは…先生だけは違った。
こんな髪の俺にも優しく笑いかけてくれた。
それがどうしようもないくらい嬉しかった。

俺に笑いかけてくれた先生。
俺に人を信じることを教えてくれた先生。
俺に世界をくれたのは、松陽先生だった。

大好きな、大好きな先生。この人なら信じてもいいと思えた。この人さえいればそれでいいと思えた。



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