素敵な頂き物

□薔薇って漢字難しいよね。・・・ひらがなでよくね?
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「あ、土方」

「・・・・晋助?」







薔薇って漢字
難しいよね。
・・・ひらが
なでよくね?










「こんな真っ昼間にホストが何やってんだぁ?トシーニョさんよぉ」

「ホストは夜の仕事だ。昼間は暇なんだよ。そーゆーお前は万事屋どうしたんだ?晋ちゃん」

「今依頼の途中だ。犬がいなくなったんだと。たく、自分で捜せってんのに」

「いいのか?甘味屋なんてよって。たいした万事屋さんだな」

「うるせー。休憩だ」

「隣、座れよ」


土方が席をつめると高杉はおとなしく隣に腰を下ろす。しばらくして若い女性店員がやってきた。


「ご注文はお決まりですか?」

「店長。カツ丼土方スペシャルひとつ」

「私店長じゃありませんしここ甘味屋なんですけど」

「バカヤロー。社長が困ってんだろ。カレーひとつ」

「だから甘味屋だっていってんだろ。それと店長でも社長でもありませんから」

「こいつに青酸カリもってきてくれ船長」

「何を?総長、バズーカもってきてくれ。コイツを粉々にしてやるから」


二人の言い争いに火がついてきたが店員の、


「・・・・ふざけてんじゃねーよ。東京湾に沈められてぇのかアァン?」


と真っ黒な笑顔でいわれ「「ナマ言ってすんませんでしたぁ!!」」 と二人どうじに土下座したのは言うまでもない。
結局団子を注文した二人であった。


「・・・・あ、小豆・・・」

「・・・・小豆?」

「あれ、晋ちゃん?」

「・・・金髪・・・?」

「「「・・・・・」」」

「・・・いや、何この沈黙。え、俺出てきちゃいけなかった?」

「甘味まだかな土方くん」

「本当だな。多分もう少ししたらくるんじゃねぇの?」

「無視しないでくれる?晋ちゃんって昔から俺の事嫌いだよね」

「黙れ天パ。お前ぇがいるとろくな事がねぇんだよ」

「そんなことな―――」


「アレ、金ちゃん何してるアルか」
「万事屋の旦那じゃねぇですかぃ」
「金さん珍しく早起きですね」
「メェー」
「何で馬がメェって鳴いてるノ?」
「晋助家賃も払わず何をしている」
「アッハッハー。久しぶりじゃのぉ」


「・・・ほれみろ。お前のせいでゾロゾロと!!」

「いや、偶然だよ!俺のせいじゃないよ!」


偶然かはたまた何かの仕業か土方と高杉に加え上から坂田、神楽、沖田、新八、ジミー、神威、桂、坂本の奇跡としかいえないメンバーが揃ってしまった。


「ねぇ晋助聞いてヨ。神威のヤローが転がりこんできてウザイのなんのって」

「別にいいでしょ。兄弟なんだし」

「お前みたいな兄をもって私は不幸なヒロインアル」

「お前がヒロインになったら世界が終わるヨ」

「言ったなバカ」

「言ったヨバカ」

「おい・・・どうでもいいが俺を挟んでケンカすんのやめてくんない?」


高杉を挟んでケンカする二人は何故か高杉の腕を掴んでいる。振り払おうにも二人共けっこうな力でびくともしない。


「金時と晋助が一緒にいるなんてまさかニャンニャンな関係ではあるまいな?許さぬぞお母さんは」

「アッハッハッハー。そうなるとわしはお父さんかの?」

「娘に手を出す旦那などいらん」

「アッハッハー泣いていい?」

「おいバカ本ぉ!!手ぇ出すってどーゆー事だ!?俺の晋ちゃんに何かしたのかコノヤロー!」

「まだしてないぜよ!」

「まだってなんだまだって!!いつかする気じゃねぇか!!」

「落ち着け二人共」

「事の発端はお前だけどな」


ギャァギャァと騒ぎ立て、何故かその中心にほうり出されている高杉はうんざりとしている。かやの外の新八はジミーの毛をとき、土方はおもしろくない面持ちでいつのまにかテーブルの上に置かれた団子を食べている。


「いい加減にしろよお前ら!!ギャァギャァギャァギャァやかましいんだよ!!」

「私は悪くないヨ!全部神威のせいアル!」

「何でそうなるの?」

「うるさいのはバカ本のせいだろうが!!」

「何でわしかの!?もとはと言えばヅラのせいじゃきに!!」

「ヅラじゃない桂だ!!金時のせいであろう!!」

「あーもー!!それがうるせぇっつってんだ!!」

「晋助もうるさいアル!!アレ?もとをたどれば晋助のせいじゃないアルか?」

「そういわれてみたら全部晋ちゃんのせいじゃん!!」

「なんでそうなるんだよこの天パ!!」

「だいたい晋助は誰が1番好きなのだ?それをあいまいにしてるからこんな事になるんだ!」

「え、なに?結局俺のせいになってんのコレ」


視線が高杉に集まる。


「好きなヤツ?好きなヤツ好きなヤツ・・・」


高杉は視線を受け止め顔を見るが、


「(・・・ろくなヤツがいねぇ・・!)」


特に好きな人がいるわけではない高杉は適当に言おうと思ったが誰にしてもろくな事にならないだろう。


「ぁー・・・えっとー・・・」


「はっきり言ったらどうだ。それでも男だろ」

「それでもってどーゆー意味だコノヤロー」


今のでヅラは消えた。残るは―――・・・。そこまで考えて高杉は思いついた。そうだ、うってつけなヤツがいるじゃねぇかと。


「俺・・・・」

「「「「「・・・俺?」」」」

「俺・・・土方がいい!!」


言うやいなや高杉は神楽達をおしのけ土方に抱き着いた。


「おい何だ急に!」

「わりぃな。実は俺もう土方と結婚してるんだ」

「は?なんのことだ?」

「けっけけけけ結婚んんんん!!!??」

「お母さんは聞いてないぞそんな事ぉ!!」

「結婚なんて許さないアル!!私とは遊びだったアルか!?」

「もうお腹に子供もいるんだ」

「ここここ子供おおおおお!!!!??」


男である高杉に結婚、ましてや子供なんてできるわけがないのだがなにぶん混乱しているだけあってダメージは絶大だ。
高杉は土方の腕を引っ張り店を出ると近くの路地裏に素早く隠れた。一足遅れて桂達が追いかけてきたが上手くまいたようだ。


「ふぅ。とんだ目にあったぜ。・・・・土方?」


やけに大人しい土方を見ると下を向いて一言も喋らない。高杉は少し不安になってふたたび名前を呼ぶと今度はバッと顔を上げガバッと抱き着いてきた。


「な!?ど、どうした!?」

「わりぃ・・・まさかお前が子を授かっていたなんて!!俺、ホストやめてどっかで安定した職探すから!!二人でどこか静かに暮らそう!!」

「は?あ、あれは冗談で・・・」

「子供はやっぱり二人欲しいな!!男の子と女の子二人づつ!!」

「っ・・・話しを聞けェェェェ!!」


ぎゅうぎゅう抱きしめてくる土方を力いっぱい突き飛ばすと土方は向かいの壁にぶつかりガァンッといかにも痛そうな音と共に頭を押さえうずくまる。高杉はごちゃごちゃうるせーと言い捨て何事もなかったかのように去っていった。


「くそ・・・覚えとけよ万事屋ぁ・・・!」


土方のむなしいセリフだけが路地裏に響いたとか響いてなかったとか。








おわり












オマケ



「あの、こちらがお買い計になります」

「アッハッハッハー泣いていい?」



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