素敵な頂き物
□そろそろ気づいて!
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こんにちは!坂田銀時、高校3年生です
自分で言うのもアレだけど、結構モテちゃう感じです。顔も悪くないし、テンション高いのがいいんだって!やったね!
そんな俺だけど、未だにチェリーボーイ。彼女も、もちろんいません。なんでかって?そりゃあ、お前さん。だって俺は…
「晋ちゃーんっ!」
愛しの高杉晋助くんが大好きだからです!
たくさんたくさんアピールしてるのに、気づいてもらえないけど、いつか気づいてくれるって信じてるんだ!
「んだよ、熱苦しい。」
離れろ、とは言わない晋ちゃん。ツンデレだもんね!分かります!
ちなみに今は選択体育の時間で、俺と晋ちゃんはグランドで野球。暑いから参加しないけど。(んじゃあなんで選んだんだよってツッコミはなしね)
土方達が頑張って試合してるっていうのに、俺たちは木陰でゆっくりまったり。晋ちゃんは俺の足の間にすっぽり。なんて可愛いんだ…!
「高杉ぃー!」
のほほんとした恋人同士の時間を遠くから邪魔するのは、マヨラー土方。なんだよアイツ、晋ちゃんのこと好きなのか、そうなのか。渡さねえぞ。(まだ俺のものなわけじゃないけど)
「あー?」
「ちょっと来い!」
「はあ?ったく…」
なんだよ、と文句を言いながらも素直に土方のもとへ行く晋ちゃん。ああ、なんだか足の間が物足りないよ…。
「銀時ィー」
テンションが下がり、下へ向けていた視線を声のする方へやると、なんとまあ…!
「ししし晋ちゃん!」
眩しい太陽の下から晋ちゃんは、襟元をぱたぱたしながら戻ってくる。鎖骨が丸見えだよ!噛み付きたい!
さらに、余程暑かったのか体操服の裾をサーファーのごとく結んでいた。白くて綺麗なウエストが!へそが…!
実は俺、へそフェチなんだ。引かないでね!あの小さなくぼみがたまらんのだよ!!
「銀時?」
「ちょ、それ以上来ないで!」
なんて言ったら、晋ちゃんは少し悲しそうな顔をした。
「あああごめん!そんなつもりじゃなくて!」
「自販機。」
「え?」
「土方がジュース買ってこいってよ。」
「ジュース…って」
俺の晋ちゃんをパシリに使うなんて…!ああ、でも召使の晋ちゃんとか萌えるかもしれない。
「行こ、銀時」
「え、イく!?へそで!?」
暑さで耳までおかしく
なったらしい。晋ちゃんは俺の質問を華麗にスルーして、自販機へ向かってしまった。それを慌てて追い掛ける俺。
なんだか、俺がパシリみたい。あ、下剋上的な?いいね、アリだね。
「あー。銀時、何がいいと思う?」
「……。」
「銀時?」
「え、あ、ごめん!」
へそばっか見て話聞いてませんでした!
「ったく、コレでいっか。」
「そだねー…あれ、2本?」
「俺の分。てめえも買うか?」
「んー、いいや。」
「そ。」
ジュースを買った後、晋ちゃんは近くの階段に座った。どうやら、ここでサボるつもるらしい。俺も隣に座ると、静かな時間が流れる。…そうだ!こ、このまま青姦とか!
「〜っ!!!」
「銀時?どーした、具合悪ぃのか?」
妄想して、ただ悶えてただけなのに、晋ちゃんはものすごく心配してくれた。顔がドアップ。近い近い近い!!!
ふと、視線を少し視線を下げると、綺麗な鎖骨が。うわお。さらに下へ下げると、大好物のへそが。うわああおっ!
「だ、だだだ大丈夫!」
「本当かよ」
「本当本当!心配ありがと」
「…ん。」
ツンデレさんだから、お礼を言われて反応に困ったらしく、晋ちゃんは俯きながらジュースを飲む。あああ可愛い!
ぱっと、思いついたようにジュースから顔を上げた晋ちゃん。どうしたんだろ?
「飲むか?」
「…え。」
「ジュース。」
ほらよ、と目の前に差し出されたジュース。それって、それって…間接チッスじゃねえか!!!
どうしよう…あああ息子が、坂田ジュニアが!やばいってこれ!
飲まねえの?と首を傾げる晋ちゃん。断るワケにもいかず(断るつもりなんてないけど!)、ありがとうとジュースを手にとる。
どきどき、ばくばく。心臓が死ぬほどうるさい。晋ちゃんに聞こえてるんじゃないだろうか、なんて。やば、俺ってば少女マンガの乙女みたい。
ごくり、唾を飲み込む。いけ、いくんだ坂田銀時。あと数センチ…と、いうところだった、のに。
ばしゃんっ
「ああああ!!!!」
最悪最悪最低最悪!!晋ちゃんのジュースをこぼしてしまいました…。なんで震えてたんだよ、俺の手!ばか!チキン!
「冷たっ、」
「大丈夫かよ?」
首にかけていたタオルで、晋ちゃんがズボンを拭いてくれる。あ、ちょっと待って…!坂田ジュニアが…!
「ちょ、晋ちゃ…、」
「……銀時。」
「は、い…。」
やばいやばい!晋ちゃんに嫌われちゃった…!もう俺泣く!てゆーか死ぬ!
「お前、病院行ったがいいぞ。」
「え?」
「なんもねえのに勃ってんじゃねーか。」
「え、あ、いや…コレは、」
「だから彼女できねえのか。」
「し、晋ちゃん?」
「今まで一緒いたのに気づかなかったぜ…。」
よかった、ような悪かったような、複雑な気分。
(そろそろ気づいてマイハニー!)