銀魂小説

□おめでとうの一言
3ページ/3ページ




あれからターミナル周辺のスーパーを片っ端から探し回ったがどこもマヨネーズの特売など行っていなかった。
屯所に着いた頃には空は黒と赤のコントラストを描き、それを飾り付けるかのように星がいくつか瞬きだしていた。

「(くそ…次あったら殺す、万事屋…!!)」
「あっ、副長ぉー!どこ行ってたんですか、こんな時間まで!」
「ザキ…いや、ちょっとスーパーまで…」
「スーパー?まぁ、そんなことより早く来てください!」
「あ?何かあったのか?」
「兎に角来てください!!」

ぐいぐい、と背中を押され、無理やり屯所の中に入れられる。
そしてそのまま道場のまで連れて行かれる。

「お、おいっ!何なんだよ、山崎!」
「ほらっ、入ってください!」
「ちょっ…!」

ぽんっ、と押され、躓きながらも道場の中に入る。
それと同時に聞こえる破裂音。
それに続きおめでとうの言葉。
俺は目を見開き、目の前をチラつく紙吹雪を見る。
呆然としていると、近藤さんがズカズカと近づいてきた。

「よぉし、主役のご登場だ!」
「遅すぎますぜェ。待ちくたびれちまったぁ」
「え?えぇ?何これ?」
「いいから、ここ座れ!そしてこれを持て」
「え、えぇー…?」

思考がついていかない俺は促されるがまま連れて行かれた場所に座り、グラスを持たされる。
近藤さんが声を上げる。

「それじゃあ、みんな準備はいいかー?!」
「「「おぉー!!」」」
「せーのぉ!」

野太い声で歌われる歌に俺は驚く。

「「「ハッピバースディーディア、トォシ〜〜♪ハッピバースディトゥユ〜〜♪」」」

「「「誕生日おめでとう、副長!!」」」

「…!!」

俺は漸く、今日一日忘れていたことを思い出す。

「(そうだ、今日は俺の誕生日だ…)」

そして、銀時達から貰ったプレゼントの意味も分かった。
これは、誕生日プレゼントだったんだ。

近藤さんが隣に腰を下ろす。
その手には酒瓶を持っている。

「今日はすまんかったな、トシ。総悟に無理やり外に出してもらったんだ」
「あぁ…朝からバズーカ持って追いかけられてたのはその所為か」
「でも、よくこんな時間まで外で暇つぶせたな?」
「あぁ…万事屋にガセネタ掴まされて…ってまさか、あいつらもグルか?」
「何のことだ?」
「いや…違うならいい」

俺は注いで貰った酒を煽る。
そして、くすっ、と笑う。
ワイワイと騒ぐ周りを見ながらこんな誕生日もいいかもしれない、と思った。



終わり


すんまっせん!!
無理やりすぎたぁぁぁ!!
一応土方誕生日小説です;;
おめでとう!!

2009/05/05 潤
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ