素敵な頂き物

□ギリギリHero
3ページ/6ページ



「起立、気をつけ、礼」

「さようなら」


やっと終わった…。
たったの6限しかないのに長く感じた。


あれから、くそ弁護士を殴って教室に戻った…。
だってあいつが悪ィ…。
思い出すだけでもう一発殴りたくなる…。


『ホントに私の事嫌い??
ねぇ、高杉くん…。』



嫌い…嫌いだ。
確かに嫌いなんだ…。
なのに、何であいつの顔が頭から離れないんだ…
銀八と似た顔なのに…。
銀八を見ても何も感じないのに…あいつを見るとやけに、体が熱くなる…。


「―け、…助、晋助ッッ!!」

「な、なんだよ」

「なんだよじゃねぇよ…、
何回呼んだと思ってんだよ…」


目の前にはトシがいた…。


「悪ィ…考え事してた。」

「大丈夫か…??
今日は早めに終わると思うんだ…待っとくか??」

「心配、してんのか??」

「当たり前―…ぐはぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」

「当たり前でさぁ!!!」



トシが…吹っ飛んでった…。
油断していて総悟の攻撃をいつもくらうトシは可哀相だと思った…。
あ…目が『殺す。』と訴えてやがる…。


「総悟…逃げた方がいいぜ…。」

「大丈夫でぃ。
俺が土方コノヤローに負ける訳ないでさぁ!!」

「そこを動くな!!
サドォォォォォ!!!!!」


「……。」


また、いつもの追い掛けっこが始まった…。


…心配してくれんだ。
嫌味な事言ってくるが…
そのわりに、気にしてくれてたんだな…。


「クク…じゃーな。
馬鹿コンビ…。」

「晋助!!待てよ。
大丈夫なのかよ!!」

「あぁ…。
もし、またストーカーされたら殴る…。」

「殴るって…お前;;」

「心配し過ぎだ…。
一応、喧嘩強いんだからよ。」

「着いたら、電話しろよ」

「母ちゃんか、お前」

「うるせぇよ//
心配なんだから仕方ねぇだろッ!!」

「分かった…じゃあな」

「気をつけて帰りなせー」


とことん、良い奴等だとそう思いながら下駄箱に向かった…。


「…あいつ、帰ったのか?」

一瞬、思ったが気にしない事にした…。
弁護士だし、何時までも此処にはいないだろう…。



――
―――
――――



「〜♪」


口笛吹きながら帰るのが、俺の日課。
夕方で誰もいないからだ。


さて、今のところ…足音は聞こえてこない。
総悟の言う通り、止めたのか…。
その方が、助かる…。


冬は暗くなるのが早い。
おまけに、俺が帰る道は電灯が少ない…。
だから、人も見えにくい状態…。



「(今日はいないみたいだな…。)」


内心ホッとしている…。
いつも音が鳴る道を通っても鳴らない…。


そうだ、もう少し進んだ道に電灯あるからトシに電話するか…。
ストーカー諦めたみたいだって…。
まだ、部活始まってねぇだろう。


電灯に着き携帯を取ろうとしたが、


「すみません。」

「あ…??」

「道を聞きたいんですけど…良いですか??」


声を聞いて、30代前半の男性だろう…。
丁度、電灯の光があたる範囲入ってなくて顔は見えない…。


「俺が知ってる範囲なら」

「ありがとうございます。実は、銀魂高校に行きたいのですが」

「(俺の高校じゃねぇか…)
此処をまっすぐ歩いて、左に曲がれば学校が見えるぜ。」

「そうですか。助かりました…。お詫びにこれを。」

「礼なんて良い。
教えただけだからよ…。」

「いや、受け取って下さい」



困ったな…。
別にいらないんだけど…
まぁ、向こうも言うから貰っておくか…。



けどこう思ったのが、間違いだった…。
まさか…こうなるとは思ってもみなかった…。


―ダンッ


「―…ッッ!!!」


一瞬だった…。
ホントに一瞬だったんだ
いつの間にか、両腕を一纏めにされ壁に打ち付けてられた…。


「ゴホ…ッッ…ッ
どう、ゆうつもりだ!!!」

「警戒心が欠けすぎだな」

「お前…」

「そう。君を毎日、後から追っていた本人さ」

「―ッッ!!」



ホントに何処にも居そうなおっさんだった…。

ただ俺の予想を遥かに超えていた…。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ