素敵な頂き物

□ギリギリHero
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「まさか、こんな簡単にいくとは思わなかったよ。」

「離ッ、せ!!」

「知ってた…??
俺…日頃暇だからよ…。
君が学校終わるまで…」


毎日見てたんだ…。


「な、に…」

「君…窓際の席だろ…??
ずっと見てたんだよ…」

「男の俺を見て馬鹿じゃねぇの!!!?」

「そんな事ないさ…。
男を好きになるのも、良いだろ…」

「何…訳の分かんねぇ事をベラベラとッッ」

「それより、今日君といた眼鏡の奴は誰…??」



眼鏡の、奴……??



「やけに楽しそうに話してたけど…」



くそ弁護士の事か…??
確かに…ほとんど側に居た…な。



「あいつは、ただの―…」


ただの、何だ??
ただの…銀八の兄貴…??
ただの…弁護士…??
ただの……た、だの。


『ホントに私の事嫌い?』


嫌い…なのか??
嫌いなら、何で俺はあいつの顔が離れない…??
嫌いなら、何であいつにこんなにも会いたいんだ…??
これは嫌いと言うのか??


「まぁ、いい。
今からおじさんと良い事しようか…??」

「―…ッッ!!?」


視界が涙で歪む…。


いや、だ…。嫌だ!!!
怖い…。
助け、て…誰か―…


「ぎ、ん…時ッッ!!」



「俺を呼びましたか??
高杉くん♪♪」



幻を見てるようだった…
会いたい奴がすぐ側にいた…。
そして、そいつは眼鏡をクイッっと上げて俺に優しい笑みを見せた…。


今から助けるよ…。


…と、言っているようだ。


「その子に手出すの止めて貰いましょうか…」

「手なんか出してませんよ…。」

「では、何故その子は泣いているんです??
何故両腕を掴んでいるんです??」


すると、奴は慌てたように俺の両腕を離した…。


「何か誤解してるんじゃないんですか??
私はこの人を変な人から助けただけd「笑わせないで頂きたい…。」



俺が否定の言葉を言う前に銀時が言葉を発していた…。


「全て…知ってるんですよ…。
貴方がして来た事…。」

「……。」

「貴方はそこに居る子を毎晩後を付けた挙げ句、
それだけじゃ足りなくなった貴方は学校生活している高杉くんを見るようになった…。
違いますか…??」

「し…証拠は…「ありますよ…。」



ここにね…。と鞄の中から何枚かの写真を取り出した…。
その写真を見るなり、銀時が何で一日中学校にいたのか分かった…。
全ての写真に奴がいるからだ…。


その中で、カメラで撮影中の写真があって驚いた…。


「これが、一昨日から貴方が動き出した行動をカメラで取らせて頂きました…。」


「一昨日…からだと」



今日だけだと思っていたのに違った。


「そして、これが今日のです…
私が居たかどうか知りませんが目立つぐらいウロウロしていましたね…」

「……く」


「……ぁ」



だから…授業も昼休みの時もずっと俺が見えるところにいたんだ…。
こいつから俺を守るために…


今なら分かる気がする…。
銀八の言葉の意味が…。


『あいつ、結構仕事熱心なんだよww』


『頼りになるよ…。
兄貴は…。』

『あいつの何処がッッ』

『そのうち、分かるよ』


なるほど…な。
一日中こいつを観察してたんだな…。
確かに―…


“仕事熱心”だ―…。



「そんなのあっても、あんたは警察でも何でもないだろう!!」

「おや…、これをご存じないのですか??」


…と言うと、一歩一歩進みながら、胸にあるバッチを見せつけた…。


「弁護士なんですよ、私。」

「弁護士!!?」

「はい…。
言っときますが…
これくらいの証拠で決着はつくのですよ…。
私が警察にこの写真と理由を言えば…の話しですがね。」


裁判の時、警察は敵ですけど、こうゆう時は違うのですよ…。と言い、
また眼鏡を2・3回上げる…。



「それがいやなら…金輪際この子に近寄らないで頂きたいのですが…。
もう一回言わなくても、理解出来ますよね…??」

「……ッッ」


そいつは、素直に尻尾を巻いて逃げて行った。


俺は、今日見た中で…
今の銀時が一番かっこよく見えた…。
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