リクエスト

□好きになるのに理由はいらない
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「高杉さん、今度ご飯食べに行きませんかぃ?いい店見つけたんでさぁ」
「いや、俺達敵同士・・・」
「今俺オフなんで誰とどんな会話してようと関係ないでしょ?だからご飯食べ行きましょうよ。美味しいお酒も用意しまさぁ」
「さ、酒・・・」



酒という単語に心動かされそうになっている高杉に近づき、銀時は派手な着物を着ている彼を強引に引き寄せ、色素の薄い栗色の髪の青年から距離を離した。
栗色の髪の青年――沖田は銀時を視界に入れるとニッコリと微笑んだ。先ほどまで高杉に向けていた笑みとは全く違う微笑だった。



「お久しぶりですねぇ、旦那。でも今旦那に用はねぇんでさぁ。高杉さんと話してるんですよ」
「いいのかよ、真選組がテロリスト口説き落としても?!」
「高杉さんにも言いましたが、俺ぁ今オフなんでさぁ。オフの日まで仕事するほど熱心な人間じゃないんでぃ」
「何開き直ってんだ!」
「それにアンタら二人に任せてたらリクエストにもある“微裏”にもっていけねぇんでさぁ!!」



そういうやいなや、沖田は銀時の腕の中に居た高杉を引き寄せ、背後から抱き込むとその白く滑らかな肌が見え隠れしている着物の合わせ目から手を突っ込み、そのまま胸を揉み出した。
慌てる銀時と土方は大声をあげ高杉を救出しようと動いたが、足が思うように動かない。



「んっあ、はっ・・・!や、だっ、おきたぁ!」



高杉のなんとも淫乱な声に銀時、土方両名は救出よりも自身の股間についているセンサーが反応しだしていた。
これでは思うように動けない。動けたとしても前かがみになって両手で股間を押さえる体勢を取れるだけである。
沖田はそんな二人の反応ににやり、と笑みを浮かべると高杉の肩から紫色の派手な着物を落とすと、着物が申し訳ない程度に腕に引っかかった状態で止まった。
一つ言わせてもらおう。全裸よりも中途半端に脱がされている方が妙な色気が出るということを。そして、高杉だったら尚のこと色気が増すということを。



「「(ヤバイ・・・俺の息子が爆発しそう)」」



同時にそう思った銀時と土方は更に行為を進めていく沖田とそれに伴って甘い声を出す高杉を食い入るように見つめていた。
剥き出しとなった高杉の白い首筋に沖田が噛み付く。
それにさえ、高杉は喘ぎ声を上げていた。



「あぁ!あ・・・くぅ・・・!」
「見て下せぃ、高杉さん。旦那と土方さんが見てますぜぇ?」
「・・・!!」
「おや?どうしたんですかぃ?急に俯いたりして・・・あぁ、恥ずかしいんですかぃ?」
「・・・っ」
「そんなことないですよね?高杉さんは見られてた方が興奮するんでしょう?ほら、ちゃんと二人の方を向いて可愛く『助けて下さい』っておねだりしたらどうですかぃ?」



流石ドS、と言ったところだろうか。
沖田の言葉攻めに高杉は羞恥に顔を赤らめ、声を上げないように必死に堪えた。
その姿にそそられた自他共に認めるドSの銀時とドSとまではいかないがSである土方が同時に息を飲んだ。
胸や横腹などを撫でていた沖田の手が徐々に下へと伸びていく。
それに気付いた高杉は慌てて沖田の手を止めた。



「だめっ、やめろ!そこは・・・!!」
「なんでぃ、高杉さん。こんなに反応してるのにそのままにしとくんですか?それとも焦らしプレイしろって遠まわしに言ってんですかぃ?お望みとあらば焦らしプレイでもSMプレイでも何でもやりますがね?」
「ひあっ!」



そっと沖田の手が高杉の敏感な部分に触れ、声を上げた。
可愛らしくあげられた声に我慢できなくなった銀時と土方が同時に立ち上がる。



「沖田君!俺もう我慢できない!ちょっと高杉貸して!」
「ふざけんな!高杉は俺と一緒に来るんだ!というかもうそろそろ俺の息子が我慢できなくなっちまう!」
「何言ってんでぃ、お二方。高杉さんをここまでしたのは俺ですぜ?そうみすみすこんな状態の高杉さんをお二方に渡すとでも?滑稽過ぎて笑いが出まさぁ」
「俺はなぁ、幼少の頃から高杉のことが好きなんだよ!ずっと我慢しっぱなしなんだよ!こんなチャンス滅多にないんだ!高杉は俺が貰うッ」
「俺だって道場に居た頃から高杉のことが好きなんだ!!噂に聞き続けた憧れの総督と一線を越えちまえるようなイベント、逃してたまるか!!」



言い合いを始めた3人はいつの間にか取っ組み合いの喧嘩に発展させ、裏路地で騒ぎまくっていた。
一人蚊帳の外で(ある意味で話の中心人物ではあるのだが)ぽつんと取り残された高杉はぼーっとしていたが、はっと正気に戻り慌ててその場から逃げ出した。
貞操の危機に陥っていた高杉はその身を守ることが出来たのである。
そして一つ心に誓った。



「(江戸の町は絶対一人で歩かねぇ!!絶対供連れてく!!)」



どうやら高杉の頭には江戸にこない、という選択肢はない様で、一番確実である方法を放棄し、高杉は泣きながらアジトへと逃げ帰ったのであった。




〜おまけ〜

「し、晋助様!?どうしたんスか!?」
「また子・・・(泣)」
「誰にやられたんスか?!また子が成敗してきますっス!」
「ぐすん・・・その気持ちだけで十分だ(あぁ、癒される・・・)」
「・・・?そうっスか・・・?」

純粋なまた子の気持ちに癒された高杉は彼女に渡されたハンカチを持って部屋に戻り、一人ひっそりとその優しさに泣いた。



終わり



18000hitリクエストでした!
ホント遅くなって申し訳ありません(汗)
まるっきりギャグですね。
リクエストくださった杏様。
素敵なリクエストに対してこんな文を作ってしまいすみません(汗)
貰ってくださると嬉しいです!
リクエスト、ありがとうございましたw

2009/11/10 潤
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