銀魂小説

□ssログ3
2ページ/5ページ

【取り敢えず】(タイムスリップ:万事屋)

「オーイ、ぱっつぁん」
「どうしたの、神楽ちゃん?」
「ほら、コレやるヨ」
「・・・眼鏡?」
「じゃ、そういうわけで」
「ちょっ!どういうわけ!?」
「ちゃんと掛けろヨ〜」
「神楽ちゃーん!?」

僕こと志村新八はたった今、一緒に万事屋で働いている神楽ちゃんから眼鏡を貰いました。
てか、何で眼鏡?
しかもこれ度が入ってないから何も見えないんだけどッ!
さっさと万事屋から出て行ってしまった神楽ちゃんに文句を言うことも出来ず、眼鏡を片手に途方にくれていると万事屋銀ちゃんのオーナー、銀さんが頭を掻きながら僕のことを呼んだ。
何か・・・物凄くいやな予感がする・・・(汗)

「よぉ、ぱっつぁん。ちょっとこっち来い」
「何ですか?僕に用事でも?」
「おぅ、用事用事・・・っと、ほらよ」
「え?」
「眼鏡だ」
「だから何で眼鏡!?」
「眼鏡変えたがってたじゃねぇか。だから百均で・・・」
「百均かよ!しかも付け髭付いたパーティ用眼鏡じゃねぇか!!」
「ちゃんと掛けろよ?」
「誰が掛けるかッ」

『ちぇ、つまんねぇの』
と、言った銀さんは尻を掻きながらパチンコへ行ってしまった。
何コレ、嫌がらせ?
僕は両手に眼鏡(片方は髭付)を持ってまたも途方にくれた。
今日は一体何なんだろうか。
嫌がらせ記念日?
僕巻き込まれてるのかな・・・。
そんなことを思っていると今度はこちらの世界にタイムスリップしてしまった少年、高杉さんがお茶を二つ持って居間へやってきた。
すい、とお茶を渡される。
僕は貰った眼鏡を机の上に置いてお茶を受け取った。
氷の入ったそれはひんやりと僕の手を冷やし、夏場の暑い時期には恵みだった。
お茶を飲んでいると高杉さんが僕の方をじっと見つめていることに気づいた。

「あの・・・高杉さん?」
「あっあのさ、コレ・・・お前にやるよ」

ほんの少し恥ずかしそうに目線を逸らした高杉さんは何処から出したのか小さな長方形の箱を僕に渡してきた。
そこで漸く神楽ちゃんや銀さんが眼鏡を渡してきたのか分かった。

「(そうだ、今日僕の誕生日・・・)」

綺麗にラッピングされたそれを受け取り、俯いて『ありがとうございます』と呟いた。
高杉さんは嬉しそうに笑って『おめでと』と言ってくれた。

<おまけ>
「うわああっ!高杉さんのプレゼントも眼鏡だしッ!!」
「え?だって江戸じゃ、眼鏡を掛けている奴には眼鏡をプレゼントするのが常識だって銀時と神楽が」
「あの二人ぃいい!!」


2009/08/12


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ