過去拍手

□小話拍手1
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【光と蛾】(攘夷:銀高)

あいつは光だった。

キラキラキラキラ

煌き続けるあいつは本当に眩しくて、焼かれてしまうのではないかと思うほど。
ジリジリと肌を焼かれる感覚がする。
あいつが俺の身体に触れるたび、そこが熱を持ち、肌を焼く。

「晋助…俺に触れられるのが嫌か?」

「どう、して・・・?」

「だって、俺がお前に触るたびにここにシワが寄る」

つい、と眉間を触られぐっ、と身体が強張る。
それを見て、銀時は困ったように笑った。

「ほら、また」

「あ・・・すまねぇ・・・嫌いってわけじゃ・・・」

「わかってるけど、悲しくなるもんだぜ?」

『天下の白夜叉様でもな』
と、悲しそうに笑う銀時。
こんな顔、させたいわけじゃない。
でも、俺にはお前の光は強過ぎる。
手を伸ばせば、そのまま焼き殺されそうになる。
それでも、何度も手を伸ばしてしまう。

――あぁ、俺は蛾なのか

身が焼かれると解っていながらもその火に飛び込む、哀れな蛾。
自分にないものを持っている光に近づきたいと願いながらも、それが叶わない。

――それでも、

そっ、と銀時のキラキラと光る銀髪に手を伸ばす。
そのふわり、とした感触に笑みを漏らす。

――こいつに焼かれるのなら、

ふわふわ、と髪を触っていれば銀時の腕が頭を掴み、口を塞がれる。
銀時の舌がぬるっ、と俺の口内を犯していく。

――本望だ

身体と身体が絡み合う。
そうして今日も俺は焼かれていく。


終わり
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