リクエスト

□ある日の午後
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【ある日の午後】



珍しく戦のなかった日の午後。

俺は桂に用があったから行きたくもない奴の自室へと歩みを進めていた。


本当は高杉の部屋に行ってイチャコラしたかったんだけどなぁ〜


はぁ、とため息をつき、俺は桂の自室の前まで行き、中に声をかけながら襖を開けた。


「ヅラ〜、この間言ってた作戦の事なんだ、け・・・ど・・・」


チーン、と部屋に片足を突っ込んだ体勢のまま固まる。
そらそうだろう。
ここは桂の部屋で、いるであろう桂の代わりに幼い顔を曝け出して寝ている愛しい高杉君がいたのだから。


てか、何で高杉がヅラの部屋にいるの?
おかしくね?


俺は2、3度頭を掻き、一歩桂の部屋に足を踏み入れた。
そっ、と襖を閉め、高杉と二人きりの状態になる。
静かな部屋に彼の静かな吐息だけが響く。


あ、何かすっごくエロい気がする・・・


そんなことを考えながら高杉が眠る日の差している場所まで移動する。
すっかり寝入っているようで、俺が近づこうが起きる気配がない。
安心しきっているようだ。


何だろ・・・めちゃくちゃ複雑なんですけど。


高杉と桂は松下村塾に通う以前からの知り合いで、所謂幼馴染みというやつだ。
昔っから喧嘩ばっかりやってるくせに何だかんだでいっつも一緒に居たりする。
今では俺や辰馬が側に居るから二人きりという状況にはあまりならないようだが、作戦などを考える時は俺なんかを交えないで二人で行っていたりするらしい。


そら俺はバカだから作戦なんて考えないで斬り進めればいいとか言っちゃうからはぶかれてんだと思うんだけど、それはそれで悲しいわけで。
というか、好きな人を違う男に取られるのが嫌だということなんだけど。


目下に居る高杉の顔を眺める。
子供のような寝顔。
俺の側では決して見せないその寝顔に軽く嫉妬する。


何で俺を信用してくれないんだ。
そんなに俺は頼りない?


高杉の顔をもっとよく見ようとしゃがみ込む。
戦争中だということを感じさせない綺麗な肌。
その真っ白の肌は時に不健康そうな感想を他者に抱かせる。
実際、高杉は身体が弱く、時々貧血などで倒れることがある。
風邪を引くなんて日常茶飯事だ。
そんな高杉を看病するのが桂の役目で、そこでもまた、彼らの絆のようなものが伺える。


「なーんで、君らはそんなに仲が良いのー?銀さん妬けちゃう」



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