Novel2

□可憐
1ページ/1ページ




アタシが欲しいのはさ、やっぱり、バンビからのなのよ。
他の女の子からはいらない。バンビ―…あんたからの、なんだよ。

毎年すごい数のチョコレートを貰うけど、正直な話、もらっても嬉しくないよ。
だって、貰う度に思い知らされるんだもん。

沢山貰っても、欲しいのはただ一つなんだ、って。
チョコレート位どって事ないけど、アタシが欲しいのはバンビの気持ちなの。


いつもおどけてみせるのはさ、本気だってバンビに知られるのが、―知られて嫌われるのが怖いからなんだよ。

アタシが男だったら、こういう気持ちが許されたのかと思うと、なんだか歯痒いよ。

わかってるよ
女の子が女の子を好きになるなんておかしいって事位。
それに、いくら好きでも。
女の子とは結ばれないって事位さ。

ね、
バンビのそのチョコはさ、誰の元へ行くの?

桜井君?先輩?それとも別の人?

でも。どうだろう。
その人達はバンビの事どこまで知ってるのかな。
バンビの事、好きかな?
彼等からしてみたらバンビは、ただの友人じゃないのかな?

でもアタシはバンビの事色々知ってるよ。
だってずっと一緒にいたからさ。
それにアタシはバンビが好きだよ。
出会った時から、ずっとね。


アタシがバンビに許されない気持ちを抱いてる事。
バンビは絶対知らないね。









ずっと教えるつもりはないけどさ。
ただの友人としているのは、もう耐えられないよ。


20100712
一片一檎
Hitohira Ichigo
*
Afternoon tea





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ