Novel2

□女王様と俺
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どうして君は俺を見てくれるの
君に相応しいのは俺じゃないだろ?
どうして君は、俺に話し掛け続けてくれるの。
これでは勘違いしてしまう。
俺に気がないならもう関わらないで。
お願いだよ、このままじゃ、俺…


君は学園内一目立つ桜井兄弟と仲が良くて。
それに一つ上の前生徒会長とも、ピアノの神童と呼ばれる先輩方とも仲がよかった。

さらに君は学園のマドンナ、ローズクイーン。

どうして俺なんかに。
三年間同じクラスだから?
だから今までずっと話かけ続けてくれたの?

入学式の日君が話し掛けてくれた事。
俺は今も覚えてるよ。

あの時から君は可愛かったけれど、歳月を重ねるごとにどんどん可愛さに磨きがかかって。どんどん綺麗になって。どんどん遠い存在になって。
どんどん変わっていく君に対して俺はなんだって普通のままで。
成績も、運動神経も、顔も全て普通のままなのに。
でも君は変わらず俺に接してくれて。

俺はどうすればいい?
何度も諦めようと思った。
でもいつの間にか君は俺の中でとても大きな存在になっていて。
忘れようとしても忘れられなくて。

ねぇ、俺は君を好きでいていいの?

ぐちゃぐちゃになる思考は、日を重ねる毎にもっと、どんどんぐちゃぐちゃ絡まっていって。

ああ、俺を惑わせないで。

君はローズクイーンだろう?
女王様なんだ。
平民なんかと、言葉を交わしてはいけないよ










平民は、女王様と踊る夢を見る
20100808
一片一檎
Hitohira Ichigo
*
Afternoon tea





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