Novel

□好きになっても、
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―…よりによってなんで僕がカップケーキを音楽室で採点しながら食べてる時に先輩が来るのさ…。
タイミング悪すぎ!
針谷先輩が来るより最悪だよ…。
本当ツイてないよ…。

なのに!なのに何なの?
何が「次の日曜、空いてる?」だ。絶対おかしいよ!なんなのさ、あの先輩は!!
まぁ…日曜日の事は…特に予定もなかったし、OK…したけど、さ。
毎月のように僕と先輩は出掛けるようになってたけど。でも、でもあんな僕を見てまだ…まだ誘ってくれるなんて思わなかったんだ…。

だって!だってフツーは同一人物で全然違う性格になったらビックリするし、焦るでしょ!
しかも採点してたから尚更だよ。ドン引きなんかじゃ済まないはずだもん…け、軽蔑とかさ、一定の距離を保つようになるとかさ、あぁもう!そういうのがあるじゃん、フツーはさ!

なのに、なのにそういうのがないんだもん。あの先輩はそういうのがないんだ!

僕は、嫌われたと思ったのにさ。

なんなんだよ…あの先輩は…!ホント…調子、狂うよ…。

はじめてなんだよ…こういうの。
あんな僕を見て、同じ態度で居てくれたの、先輩が…初めてなんだ。

僕…変に期待しちゃうじゃん。
自惚れちゃうじゃん。

…先輩は僕の事どう思ってるんだろう。

やっぱり只の、後輩…?



ねぇ先輩、僕このままだと本気になるよ?


ねぇ、いいの…?



あぁ!!
もうやめやめ!アナスタシアでケーキのドカ食いしてやる!







好きに、なってもいいですか…?

20081230
一片一檎
Hitohira Ichigo
*
Afternoon tea





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