Novel

□好きなくせに
1ページ/1ページ





あたしはあんたよりも、ずっと―…

ウチはハリーが好きや。誰よりも、誰よりも!だから負けへんで!


只今愛しのハリーを凝視中。
ま、ハリーは全く気付いとらんけど。
今日もハリーはあのコとお喋り、かぁ。

…相変わらずハリーは今日もあのコにぞっこんやねんな。
でもこの西本はるひ!
ハリーに振り向いて貰えるよう今日も頑張るでー!
と、いうわけで。
今日はどないしてラブアタックくらわせようかな〜
…なんてな


わかってる。
ハリーはあたしなんか見てない事くらい。

わかってる。
ハリーが見てるのは、あたしの一番の仲良しであるあのコって事くらい。

たしかにあのコは、流行に敏感やし(まぁ、あたしには敵わなんけどな)さらに優しくて可愛いときた。
そりゃぁそこいらにおる男共が見過ごさないのはわかっとるけど…まさかハリーまでも、とはなぁ。
冗談きついわぁ…。

あ!!!
ハリー、今あのコに触れよった!あ〜羨ましいあたしにも触れてほしいわぁ…ってちゃうねん!!
…あぁもう!
そこは男なら…ハリーなら、もっと強引にする所やろ!
こう、なんて表現したらいいかわからへんけどガバッと行けへんのかな〜…
あんたは草食系男子かいって!
ハリーは肉食じゃないとアカーン!

あぁ!
もぅっ顔なんか真っ赤にして〜。
なにが「わ、わりぃ」や!男ならガツンといかんかいアホ!
そのまんまハリーの美声でくどいたらええやん!
はよ自分のものにせんと他の男に取られてまうで!それでええんかい!よくないやろっ!
…ほんまに好きやったら、本気でアタックせなあかんねやー!!
もっと頑張りやー!


って…―何しとるんやろ、あたしは…

あたしは…ハリーにラブアタックするとちゃうの?
応援なんかして何しとんの!!
あぁ!西本はるひ、しっかりせぇ!
…あたしはハリーにラブアタックしてハリーの恋人兼マネージャーになる選ばれし女の子なんや!

「…ほんまに好きやったら、本気でアタックせなあかんねや!」

…あたしに言える言葉やん



鹿

複雑な気持ちが
あたしを、悩ませる


20090907
一片一檎
Hitohira Ichigo
*
Afternoon tea





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ